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コラム / 海外ボクシングコラムVol.99

<世界のトップボクサー>
ブラッドリー VS パッキャオ 2
雪辱か返り討ちか――2年ぶりの再戦II

WBO世界ウェルター級タイトルマッチ、王者ティモシー・ブラッドリー(30=アメリカ)対挑戦者の前王者マニー・パッキャオ(35=フィリピン)の12回戦が4月12日(日本時間13日)、アメリカのネバダ州ラスベガス、MGMグランドガーデン・アリーナで行われる。両者は12年6月、今回とは逆の立場で対戦し2対1の際どい判定でブラッドリーが勝利を収め、王座を奪い取っている。以来2年、敗れたパッキャオはもちろんのこと、物議をかもす判定勝ちを収めたブラッドリーも望んだような評価を得ることができず、葛藤を抱えることになった。そうして迎えるリマッチを前に、ふたりは「今度が本当の決着戦」と口を揃える。

2年前の初対決でパッキャオに微妙な判定勝ちを収めたブラッドリーは、08年から3年以上にわたって保持したS・ライト級王座に続く2階級制覇を成し遂げたことになる。パッキャオに勝った時点の世界戦数は8で、7勝(1KO)1無効試合という内容だ。そのうちの7人が元あるいは現役の世界王者だったのだから、KO数は少ないものの中身は極めて濃いといえる。パッキャオ戦にしても、試合後に車椅子で移動するほどの痛みを左足首に感じていながら戦い続けたことが判明。その点には驚異の目が向けられたが、それがブラッドリー自身の評価に結びつくことはなかった。

この負傷が原因でブラッドリーは9ヵ月以上も実戦から遠ざかることになった。初防衛戦は13年3月のことで、相手はルスラン・プロボドニコフ(ロシア)だった。
いまでこそWBO世界S・ライト級王者として注目を集めているプロボドニコフだが、当時の知名度は決して高くなかった。もちろん莫大な報酬が見込める有料テレビでの放送ではなかった。もともと「デザート・ストーム(砂嵐)」と呼ばれるブラッドリーは回転の速い連打攻撃に定評があり、試合は常にエキサイティングなのだが、「パッキャオに勝った男」には、それ以上のものを周囲が求めるようになっていた。ブラッドリーは世間の要求に応えようとしてタフなラフファイター、プロボドニコフと真っ向から打ち合ってみせた。しかし、初回にダウン(判定はスリップ)を喫し、最終回にもあわやKO負けという痛烈なダウンを喫してしまった。それまでの貯金がものをいって小差の判定勝ちを収めたものの、実力に見合った評価が得られたとはいえなかった。
2度目の防衛戦はパッキャオを倒したマルケスが相手だった。オッズが3対2でマルケス有利と出ていたうえ、報酬も挑戦者が600万ドルだったのに対し、王者のブラッドリーは410万ドルという待遇だった。ブラッドリーは「私はいつも過小評価されている」と言ってはばからないが、その言い分も分からないではない。試合はクロスした内容だったが、ブラッドリーは中盤の貯金を守り、またも2対1の僅少差の判定勝ちをものにした。

本来ならば一度勝っている立場の王者にとって再戦は不要ともいえるのだが、今回のパッキャオとのリマッチはブラッドリー自身が望んでいるものでもある。ブラッドリーは言う。「パッキャオとの初戦も自分が勝ったと確信している。マルケスにも勝った。私はこの2試合で、技術もあって打撃戦もこなす多才な選手であることを証明したと思っている。でも、世間の評価が自己評価に追いついていないことも知っている。だから、今度のパッキャオ戦で私がベストのファイターであることをあらためて証明するつもりだ。今度の試合は私にとっても決着戦なんだ」

一発の破壊力と攻撃力で勝るサウスポーのパッキャオが、素早く踏み込んで得意の左をヒットすれば痛烈なKOシーンが見られるかもしれない。その一方、ブラッドリーが細かく動きながら出入りし、回転の速い連打で攻め落とす可能性もある。ともに決意と覚悟を持って臨む再戦だけに、KO決着が濃厚だ。オッズは7対4でパッキャオ有利と出ている。戦績は、ブラッドリーが32戦31勝(12KO)1無効試合。パッキャオが62戦55勝(38KO)5敗2分。


Written by ボクシングライター原功

ティモシー・ブラッドリー

ティモシー・ブラッドリー

©NAOKI FUKUDA

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