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コラム / 海外ボクシングコラムVol.84

<世界のトップボクサー>
全勝街道を突っ走る“神の子”
アンドレ・ウォード(アメリカ)II

アンドレ・ウォード(29=アメリカ)は、体重の壁を取り払ってボクサーを総合的に評価する「パウンド・フォー・パウンド」で、必ずトップ5に入る。26戦全勝(14KO)という完璧の戦績を誇り、WBAではS・ミドル級の「スーパー王者」に認定されている。しかし、このウォードにも悩みがある。この数年、肩の故障を抱えているために試合間隔が空いてしまうのだ。

ウォードは04年アテネ五輪L・ヘビー級で金メダルを獲得後、04年12月にプロ転向を果たした。初陣は2回TKO勝ちだった。その後も着々と白星を重ねたが、玄人筋の評価はもうひとつだった。打たれ脆い一面をさらけ出し、危ない場面をしのいで勝った試合があるなど安定感がなかったのだ。迫力という点でも必ずしも十分なアピールができたとはいえなかった。「そのうちに躓くだろう」という予想が多かったが、しかし、ウォードは技術を磨くことで総合力を上げていった。

08年6月にはNABO北米王座を獲得し、09年2月にはNABF北米王座も手に入れた。

世界上位に進出していたウォードを、さらに上のステージに引き上げることになったのがS・ミドル級最強決定トーナメント、「スーパー・シックス」だった。ふたりの世界王者を含む6人のトップ選手が覇権を争うイベントに、ウォードも出場したのである。

その初戦でウォードはWBA王者ミッケル・ケスラー(デンマーク)と対戦。11対5のオッズが示していたようにケスラー有利とみられていたカードだが、ウォードは王者の強打を空転させ文句なしの判定勝ちを収めた。これで評価を高め自信を増したウォードは、アラン・グリーン(アメリカ)、サキオ・ビカ(オーストラリア ※現WBC王者)、アルツール・アブラハム(ドイツ)を立て続けに下して決勝に進出。11年12月にはWBC王座を保持していたカール・フロッチ(イギリス※現IBF王者)にも勝利を収め、完全優勝を飾った。

翌12年9月には1階級上のL・ヘビー級王者チャド・ドーソン(アメリカ)野挑戦を10回TKOで退け、無敵ぶりを強く印象づけた。

しかし、慢性的な肩の痛みは限界に達していた。今年1月に予定されていた防衛戦をキャンセルしたウォードは手術に踏み切り、余儀なく長期間の戦線離脱を強いられた。この間、WBCは「名誉王者」という称号贈与を提案したが、ウォードは「事実上の王座剥奪じゃないか」と拒否。全勝王者のプライドをみせた。

昨年9月以来、とうとう空白期間は1年に達したが、リハビリで機能を回復したウォードは今秋にも戦線復帰戦を計画している。アマチュア時代の96年から実に17年も敗北と縁のないS.O.G.(SON OF GOD=神の子)の再度の快進撃が、これから始まろうとしている。


Written by ボクシングライター原功

アンドレ・ウォード

アンドレ・ウォード

©NAOKI FUKUDA

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