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コラム / 海外ボクシングコラムVol.82

<世界のトップボクサー>
破竹の快進撃を続けるカザフスタンの豪腕
ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)

ゴロフキンがWBAミドル級暫定王座を獲得したのは10年8月のことだが、しばらくは実力に見合う正当な評価がされたとはいえなかった。当時、WBA王座にはフェリックス・シュトルム(ドイツ)が君臨しており、暫定王座を置く必要性がなかったことも一因といえる。また、決定戦の相手がランキング二桁台の選手だったこともある。

こうした中、ゴロフキンは自身の拳で世間の評価を勝ち得ていく。V2戦では元世界王者カシム・ウーマ(アメリカ)に10回TKO勝ちを収め、V3戦ではタフで知られたラファン・サイモン(アメリカ)を左フック一発で夢の国に送り込んだ。パナマ、カザフスタン、ドイツと場所を選ばずに戦う点も評価の対象になっていった。4度目の防衛戦では前東洋太平洋王者の淵上誠(八王子中屋)とウクライナで拳を交えたが、ワンサイドの3回TKOで退けた。「たしかにパンチ力もあったけれど、驚異的というわけではなかった」と淵上は証言している。興味深いのは「自分では足をつかって間合いをとったつもりなのに、気づいたらコーナーに追い込まれていた」と振り返っている点である。これは今年3月に3回KOで敗れた石田順裕(グリーンツダ)の感想とも一致するからだ。「足を使うまもなく追い込まれていた。ゴロフキンの強さは、あの圧力のかけ方にこそあると思う」

こうした戦法、戦術を身につけたのはアベル・サンチェス・トレーナーの指導あってのことといわれる。より攻撃的な前傾姿勢にスタイルを変えたことが奏功したのだ。

ゴロフキンは昨年9月にアメリカ進出を果たし、すでに本場で3戦をこなした。テレビの視聴者数も上々で、HBOテレビは今後もゴロフキンの試合を積極的に放送していく方針を打ち出している。次戦は11月にも計画されているが、王者には贅沢な悩みがある。

「強い選手と戦って自分が最強であることを証明したい」というゴロフキンの希望にかなう相手がいないのだ。いや、実際にはいるのだが、対戦を回避される傾向があるのだ。同じ階級のWBC王者セルヒオ・マルチネス(アルゼンチン)は負傷のため長期休養中で、IBF王者ダニエル・ギール(オーストラリア)はアマ時代に大差のポイント負けを喫していることから対戦に二の足を踏んでいると伝えられる。元王者フェリックス・シュトルム(ドイツ)はスパーリングで一方的に打たれたため、実戦で対峙することを拒んでいると伝えられる。WBO王者ピーター・クイリン(アメリカ)は「対戦は時期尚早」と判断しているようだ。

戦績は8連続KO防衛を含む27戦全勝(24KO)。KO率は88パーセントを超える。「怪物」に成長しつつあるゴロフキンについて、石田はこういっている。「いまのミドル級では間違いなく一番強い。どこまで強くなるかということと同時に、あの選手に誰が勝つんだろうという単純な興味が湧いています」

2年あるいは3年という長期期間でゴロフキンの今後を注目していきたい。


Written by ボクシングライター原功

ゲンナディ・ゴロフキン

ゲンナディ・ゴロフキン

©NAOKI FUKUDA

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