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コラム / 海外ボクシングコラムVol.80

<世界のトップボクサー>
主役の座を狙う中量級の「砂嵐」
ティモシー・ブラッドリー(アメリカ)

プロデビューから21連勝(11KO)を収めていたブラッドリーは08年5月、WBC世界S・ライト級王者ジュニア・ウィッター(イギリス)が待つイギリス・ノッティンガムに乗り込んだ。賭け率は11対2。地元のウィッターが圧倒的有利とみられていた。
しかし、ブラッドリーは回転の速い連打で互角以上にやり合い、2対1の小差判定ながらウィッターから王座をもぎ取った。115対113、114対113で二者がブラッドリーを支持、もうひとりは115対112でウィッターにつける大接戦だった。勝負を分けたのはブラッドリーが6回に奪ったダウンだった。

その後の足跡は比較的順調といえる。09年4月のケンドール・ホルト(アメリカ)戦では初回と最終回にダウンを喫したが、それ以外は問題なく打ち勝ち、WBO王座も手に入れた(WBC王座は放棄)。その年の年末には十代のころからの友人でもあるレイモント・ピーターソン(アメリカ)と対戦したが、ダウンを奪って完勝。さらに11年1月にはWBC王座に座っていたサウスポーの技巧派デボン・アレキサンダー(アメリカ)と統一戦を行い、これも快勝(10回負傷判定)。この3年間でブラッドリーはS・ライト級で頭ひとつ抜け出た存在になっていた。

次にブラッドリーが狙ったのが6階級制覇王者マニー・パッキャオ(フィリピン)との頂上決戦だった。その執念と自信は尋常ではなかった。
この試合を実現させるため、それまで所属していたプロモーターの下を去り、トップランク社に移籍をしたほどだった。その甲斐あってパッキャオ戦は12年6月にセットされた。
オッズは4対1、もちろんパッキャオ有利の予想だった。その下馬評どおりブラッドリーは苦戦を強いられたが、終盤にパッキャオの失速に乗じてポイントをゲット。物議を醸す判定ではあったがジャッジ二者から支持を受けて2階級制覇を成し遂げた。試合後、ブラッドリーは足を痛めていたことを明かし、しばしの休養をとることになった。

9ヵ月ぶりの実戦となった今年3月のルスラン・プロボドニコフ(ロシア)との初防衛戦は、予想以上の苦戦だった。初回(主審の判定はスリップ)と最終回にダウンを喫する危なっかしい戦いぶりで、王座を守ったものの評価を上げることはできなかった。
そんなブラッドリーがこの秋、ボクサー生命をかけた大一番に臨む。10月12日、ラスベガス。5階級制覇を狙うファン・マヌエル・マルケス(メキシコ)の挑戦を受けるのだ。オッズは3対2、またしても相手有利と出ている。無敗の王者としてはこれ以上の屈辱はない。ブラッドリーはいう。「あのパッキャオに勝ったというのに自分の評価は上がってはいない。本来ならばスーパースターになっているはずなのに。今度のマルケス戦では、いかに自分が優れたボクサーであるか証明してみせる」

秋の「砂嵐」に要注目だ。


Written by ボクシングライター原功

ティモシー・ブラッドリー

ティモシー・ブラッドリー

©NAOKI FUKUDA

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