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コラム / 海外ボクシングコラムVol.79

<世界のトップボクサー>
パッキャオを破った回転力のある「砂嵐」
ティモシー・ブラッドリー(アメリカ)

フロイド・メイウェザー(アメリカ)やギジェルモ・リゴンドー(キューバ)のように卓抜したスピードと技巧で売る選手もいれば、ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)やルーカス・マティセ(アルゼンチン)のように破格の強打をセールスポイントにするスラッガーもいる。そんななかWBO世界ウェルター級チャンピオンのティモシー・ブラッドリー(アメリカ)は、その中間に位置しているといえる。回転力の速い連打で攻め込む好戦派なのである。昨年6月には、それまで快進撃を続けていたマニー・パッキャオ(フィリピン)に黒星をなすりつけた選手としても知られる。「デザート・ストーム(砂嵐)」の異名を持つ29歳は、10月にファン・マヌエル・マルケス(メキシコ)の挑戦を受ける。

ブラッドリーの評価に関しては意見が分かれるところでもある。パッキャオ戦の判定勝利が物議を醸すものだったこと、今年3月のルスラン・プロボドニコフ(ロシア)との初防衛戦で2度のダウンを喫したこと(カウントされたのは最終12回の1度だけ)などがマイナス材料となっているのだ。しかし、そんな際どい勝負を拾う強運を持っていることは間違いない。

ブラッドリーはアメリカのカリフォルニア州パームスプリングスで生まれた。姉と妹に囲まれた長男だという。のちに息子のトレーナーを務めることになる父親は高校の警備員、母親は主婦だった。路上で毎日のようにケンカをしていた少年がボクシングを始めたのは10歳のときだった。アマチュアでは数々のトップ選手と拳を交えた。「14歳か15歳のときにアンドレ・ウォード(アメリカ=現世界S・ミドル級王者)と戦って僅差のポイント負けを喫したことは覚えているよ」とブラッドリーはいう。このほかにもバーネス・マーティロスヤン(アメリカ=現世界ランカー)、アンドレ・ベルト(アメリカ=元世界王者)、アルフレド・アングロ(メキシコ=元世界王者)には敗れたが、アンソニー・ディレル(アメリカ=現世界ランカー)には勝利を収めている。アマチュアでは145戦したが「何勝して何度負けたのかは覚えていない」とブラッドリーはいう。

04年のアテネ五輪の予選で敗れたのを機にプロ転向に踏み切る。21歳の誕生日を9日後に控えたときのことだ。初陣で2回KO勝ちを収めたブラッドリーは、1年後にはWBCのユース王座を獲得するなど、極めて順調に白星を重ねていった。特筆すべきは、KOを逃した判定試合でも相手に付け入る隙を与えず、ほとんどの試合でフルマークに近い勝利を収めていたことである。07年7月には現IBF世界ライト級王者ミゲール・バスケス(メキシコ)にも大差の判定勝ちを収めている。

21戦全勝(11KO)の余勢を駆って初の世界挑戦を試みたのは、08年5月のことだった。


Written by ボクシングライター原功

ティモシー・ブラッドリー

ティモシー・ブラッドリー

©NAOKI FUKUDA

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