25th

WOWOW

PC版

ご加入はこちら

Excite Match エキサイトマッチ~世界プロボクシング スペシャルページ

コラム

バックナンバーを開く▼

その他

バックナンバーを開く▼

コラム / 海外ボクシングコラムVol.78

<世界のトップボクサー>
ドネアに勝ったキューバの至宝
ギジェルモ・リゴンドー(キューバ/アメリカ)II

シドニー、アテネ両五輪を制したリゴンドーには、当然のように3大会連続の金メダル獲得の期待がかかった。しかし、そのころリゴンドーは、亡命してプロで成功した元国家代表たちの姿に数年後の自分を重ね合わせていた。名誉だけでなく十分な報酬を欲していたのである。

07年7月、ブラジルで開催されたパンナム大会の際、リゴンドーはチームメートのエリスランディ・ララとともに亡命を試みたが失敗。現地の警察に身柄を拘束され、キューバに強制送還されてしまった。これを機に当時のフィデル・カストロ首相はふたりをナショナルチームから外し、2度と国家代表にはしないと言い渡した。こうしたなかリゴンドーとララは再び亡命計画を実現に移す。今度はメキシコ経由で米国マイアミに渡り、以前からコンタクトを取っていたドイツのプロモーターのもとに駆け込んだのだ。09年2月のことである。

その3ヵ月後、リゴンドーは晴れてプロ転向を果たした。初戦を3回KOで片づけると2戦目は1回で仕留めた。3戦目にはNABA北米スーパー・バンタム級王座を獲得。そして10年11月にはリカルド・コルドバ(パナマ)に勝ってWBA世界スーパー・バンタム級の暫定王座を手に入れた。初陣からわずか1年半後の戴冠だった。このコルドバ戦、リゴンドーは強烈なボディブローでダウンを奪ったが、自身も左ジャブで尻餅をつくなど耐久面で不安をのぞかせている。

初防衛戦はアイルランドに出向いて地元選手を3度倒して1回TKO勝ち。V2戦ではリコ・ラモス(アメリカ)にボディブローを浴びせて6回KO勝ち、併せて正王者昇格を果たしている。V4戦では長身のロバート・マロクィン(アメリカ)に少し手こずったものの、2度のダウンを奪って判定勝ちを収めた。今年4月のWBO王者ノニト・ドネア(フィリピン/アメリカ)との統一戦は多くのファン、関係者の記憶に新しいところであろう。

試合のときは窮地にあっても終始冷静なリゴンドーだが、リングの外では「気難しい男」という評判だ。フレディ・ローチ、ロニー・シールズ、そしてペドロ・ディアスと短期間にトレーナーを替えてきた事実からも、そうした気分屋の一面が感じられる。トップランク社のボブ・アラム・プロモーターも「チーム・リゴンドー」には手を焼いていると伝えられる。

ドネア戦では70万ドル(約7650万円)以上を手にしたといわれるリゴンドーだが、今後は実力に見合った報酬が保障されるとは限らない。技術だけでなく、観客やファンにより分かりやすいかたちでスリルを提供することが要求されるからだ。

次戦に関しては9月が有力だが、リゴンドーはWBC世界フェザー級王者アブネル・マレス(メキシコ/アメリカ)との対戦を望んでいる。プロモーターが異なるため実現は難しいが、03年のパンナム大会でマレスに圧勝(17対7のポイント勝ち)していることもあり、リゴンドーは自信満々だ。「ドネアに楽々と勝ってみせただろ? マレスが相手ならもっと簡単に片づけてみせるよ」

リゴンドーの時代はしばらく続きそうだ。


Written by ボクシングライター原功

ギジェルモ・リゴンドー

ギジェルモ・リゴンドー

©NAOKI FUKUDA

▲ページTOPへ