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コラム / 海外ボクシングコラムVol.70

<世界のトップボクサー>
パッキャオを打ち砕いた「ダイナマイト」
ファン・マヌエル・マルケス(メキシコ)II

マヌエル・メディナ(メキシコ)を芸術的なコンビネーションで7回TKOに下し、29歳にして初めて世界王座を手に入れたマルケスだが、その前にマニー・パッキャオ(比)が立ち塞がった。マルケスにとってその後のキャリアは、パッキャオを超えるためのものだったといえる。

マルケスが初めてパッキャオと手合わせしたのは04年5月のことだった。フェザー級王座の防衛戦としてパッキャオを迎えたマルケスだが、なんと初回に3度のダウンを喫してしまう。3ノックダウン・ルールが適用されない米国ラスベガスでの試合だったためKOを免れたマルケスは、その後のラウンドで猛反撃。しかし、引き分けに持ち込むのが精一杯だった。

再戦は08年3月、さらに第3戦は11年11月に行われたが、いずれも微妙な判定負けに泣いた。この間、マルケスはスーパー・フェザー級、ライト級でも王座を獲得。12年4月にはスーパー・ライト級でも戴冠を果たし、4階級制覇を成し遂げている。体重を上げて次々と王座を手にしていったパッキャオを追うかのような転級だった。

ボクサーの通知表ともいえるパウンド・フォー・パウンド(体重同一と仮定した評価)で常に上位にランクされてきたマルケスだが、その上には必ずパッキャオがいた。評価だけではない。待遇面でも大差をつけられてきた。

パッキャオが1試合で2000万ドル(約16億8000万円)を稼ぐのに対し、マルケスの報酬は300万ドル(約2億5200万円)~500万ドル(約4億2000万円)に抑えられていた。先の第4戦でもライバルに2600万ドル(約22億円)が保障されるなか、その4分の1以下(600万ドル≒5億円)で我慢しなければならなかった。それがプロとしての両者の価値でもあったのだ。

12年12月8日、ラスベガス。マルケスは歴史に残る劇的なKOでライバルを超えたが、すでに39歳。プロモーターは両者の第5戦を企画、来年の春か秋にも実現させたい意向を伝えているが、マルケスが応じるかどうかは微妙だ。いずれにしても年齢だけでなくモチベーションの在処を考えても、そう長くリングに上がり続けることはないだろう。

大仕事をやり終えた後、マルケスは「今後に関しては妻のエリカや子供たちと相談して決めたい」と話している。2人の男児アルド・マヌエル、ファン・エミリオ、そして愛娘アリソン・ナタリアの父親として大きな決断をしなければならない瞬間は確実に近づいているといえる。

パッキャオとの第5戦に向かうのか、他のスター選手と対峙するのか、それともグローブを壁に吊るすのか。62戦55勝(40KO)6敗1分。「ダイナマイト」の異名を持つ攻防兼備の万能型強打者マルケスは、13年にどんな決断を下すのだろうか。


Written by ボクシングライター原功

©NAOKI FUKUDA

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