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コラム / 海外ボクシングコラムVol.68

<世界のトップボクサー>
宮本武蔵に心酔する無類の親日家
ノニト・ドネア(フィリピン) 2話

07年7月、初の世界挑戦にこぎ着けたドネアだったが、勝ち目は薄いとみられていた。当時のIBF世界フライ級王者ビック・ダルチニャン(アルメニア)は28戦全勝(22KO)の戦績を誇り、怪物視されていたのだ。6度の防衛リストのなかにはドネアの兄グレンも含まれていた。

試合前の会見等で散々挑発されたドネアは、怒りが沸点に達していたという。「僕は対戦相手が誰であろうとリスペクトしている。だって僕がそうであるように相手も必死にトレーニングしてリングに上がるわけだからね。でも、ダルチニャンには相手(ドネア)に対するリスペクトが微塵も感じられなかったんだ。だから僕は絶対に彼を倒すと決めていたよ」
その決意どおりドネアは5回に戦慄的な左フックのカウンターでダルチニャンをキャンバスに沈めた。24歳の若さで世界の頂点に立ったドネアのその後の活躍に関しては、いまさら多くの説明を必要とはしないだろう。
この6年間でドネアは4階級にわたって世界戦で12戦全勝(8KO)を収めている。


フライ級ビック・ダルチニャン○5回TKO
ルイス・マルドナド○8回TKO
モルティ・ムタラネ○6回TKO
ラウル・マルチネス○4回TKO
S・フライ級ラファエル・コンセプション○12回判定
エルナン・マルケス○8回TKO
バンタム級フェルナンド・モンティエル○2回TKO
オマール・ナルバエス○12回判定
S・バンタム級ウィルフレド・バスケス・ジュニア○12回判定
ジェフリー・マセブラ○12回判定
西岡利晃○9回TKO
ホルヘ・アルセ○3回TKO

特筆すべきは現・元・後の世界王者経験者が10人も含まれていることである。「強い相手と戦って、自分がどれだけ強いのか確認したい」というドネアの思いに沿ったマッチメークがなされていることが分かる。
ベストファイトはWBC・WBO世界バンタム級王座を獲得したモンティエル戦だろう。勝負を決めた左フックの紙一重のカウンターは衝撃的だった。

リング上では無類の強さを発揮しているドネアだが、グローブを外すと礼儀正しい30歳の青年に戻る。「僕の先祖はサムライだったんじゃないかな」というほど日本が好きで、この数年で数えきれないほど来日している。ドネアが愛してやまない漫画「はじめの一歩」の作者、森川ジョージ氏と親交があるほか、日本人の友人知人も多い。また、宮本武蔵に心酔しているなど日本の歴史や文化にも興味と知識を持っている。西岡戦の前には「僕と西岡さんの試合は武蔵と小次郎の戦いのように、ミスをした方が負けるだろう」と話していたほどだ。
私生活でも、元テコンドーの全米王者であるレイチェル夫人と一昨年秋に挙式するなど幸福に包まれている。今夏には第一子が誕生する予定とも伝えられる。
4階級で世界王座を獲得した「フィリピーノ・フラッシュ」は近い将来、S・バンタム級王座を統一し、その後でフェザー級制覇にも乗り出すと話している。どこまで強くなるのか、今後もドネアの動向から目が離せない。



Written by ボクシングライター原功

ノニト・ドネア

ノニト・ドネア

©NAOKI FUKUDA

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