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コラム / 海外ボクシングコラムVol.64

マネージャーの役割と仕事
~ ボクシングの基礎講座 ~ 売出しや条件交渉まで幅広くカバー

日本と欧米ではボクシング界のシステムが異なることは前回に記したが、マネージャーの果たすべき役割は同じである。なによりも担当ボクサーの利益保護が最重要視されるからだ。

マネージャーの役割に関して、日本ボクシング・コミッション(JBC)のルールブック第6部・第33条(マネージャー)の項には、以下のような記述がある(抜粋)。

※マネージャーは契約しているボクサーの利益を守るため、次の各号に定める義務を負う。
一.契約ボクサーに適当なるトレーニング施設を用意すること
二.契約ボクサーのトレーニングを監督すること
三.契約ボクサーの健康を管理すること
四.契約ボクサーの収入を確保すること
五.契約ボクサーが試合に出場するとき及びファイトマネーを受け取るときは、これに立会うこと
六.契約ボクサーが負傷又は疾病の場合には、
試合日の24時間前までにプロモーター及びJBCに対して報告すること

マネージャーの仕事を具体的にいくつか列記してみよう。
目に見える最も重要な仕事は、対戦相手の選定や条件交渉であろう。抱えるボクサーが高い潜在能力を持った有望選手であれば、なおさらマネージャーの腕が重要になる。たとえば耐久力が試されていない時点ならば危険な強打者との試合は回避するのが常道だ。敗戦後やブランク明けの試合も同様である。派手に存在感を示す必要があるときや取りこぼしができないときなどは、力量が劣ると思われる低リスクの相手を探す必要に迫られる。また、ランキング入りを狙う場合には、リスクを小さく抑えつつ相性の良さそうな相手を選ぶ目と手腕が要求されることになる。
選手の知名度、認知度を上げるためにはメディアへの売り込みも重要だ。新聞や雑誌、テレビに積極的にニュースを提供し、取り上げてもらうよう図る。それもマネージャーの仕事のひとつといえる。欧米には自分の選手の写真入りのカードを常に携帯しているマネージャーもいる。サインを頼まれるとそのカードを差し出すのである。

マネージャーの腕が最も問われるのは、たとえば自分の選手がランキングに入るか落ちるか、王座を剥奪されるか否かといった緊迫した事態のときだ。WBAやWBCの総会時に世界各地から多くのマネージャーが集まるのは、そのためともいえる。自分の選手のランキングをひとつでも上げるために躍起になるのである。ましてやランキングから落ちそうな状況や、自分の選手が正王者でありながら理不尽な暫定王座が設けられる、または自分の選手の王座が剥奪あるいは降格される恐れがある場合など、マネージャーは総会や本部まですっ飛んで行くことになる。ボクサーに変わって立場を主張し、有利な条件を獲得しなければならないからだ。
こうした選手の利益保護ができなければマネージャー失格といわれても仕方ない。事実、個々の契約システムになっている欧米ではマネージャーが変わることは決して珍しくはないのである。
選手の出世は、有能なマネージャーと出会えるか否かにもかかっているといえる。


Written by ボクシングライター原功

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