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コラム / 海外ボクシングコラムVol.63

~ ボクシングの基礎講座 ~
日本は諸外国とは異なる制度を採用

テレビでボクシングの試合を見ていると必ず出てくる用語に、マネージャー、プロモーター、トレーナーという語がある。スポーツに限らず一般的にも耳にする用語だが、実際にボクシングでは彼らがどんな役割を果たしているのだろうか。まずは、マネージャーの仕事について考えてみよう。

マネージャーという語には(1)支配人、経営者、管理人、監督 (2)選手の世話をする人 (3)スケジュール調整や渉外などの世話をする人、という意味がある(広辞苑)。

これらはボクシングにも当てはまるが、欧米と日本では役割分担の点で少々異なる傾向がある。

欧米の場合、大まかにみて(1)と(3)の役割が多いといえる。対戦相手の選定や報酬などビジネス面の交渉にあたることが主たる仕事になるからだ。選手の利益代表という立場が明確に打ち出されているのである。

日本でも同様の役割を担ってはいるが、(1)の役割はジムの会長が務めるケースがほとんどで、マネージャーは(2)と(3)の役割が多くなっている。ジムによっては会長がマネージャーの役割を担うことがある。こうした違いは欧米と日本のボクシング界が異なるシステムを採用していることから来ているといえる。

欧米をはじめとした世界のほとんどの国は、いわゆる「マネージャー制度」を採っている。選手とトレーナー、練習施設(ジム)、マネージャー、プロモーターは個々の契約で結びついているのだ。
たとえばA選手とBトレーナーがコンビを組み、主要な練習の場を(ア)というトレーニングジムに決める。そして腕が良いと評判のCマネージャーと契約。試合に際しては好条件を提示したDプロモーターと組む――これらが別々の契約によって成り立っているのである。もちろん期限が来たり不利益が生じたりした場合は契約を解除して別のトレーナーやマネージャー、プロモーターと組み直すことが比較的容易にできる。

一方、日本は本格的にボクシングが伝わった大正時代から、ジムがあることを大前提とした「クラブ(ジム)制度」を採っている。

(ア) というジムがあり、そこにはBトレーナーがいてCマネージャーもいる。プロモーターはジム会長のDが務める。すでに4者がセットになっているなかにA選手が入門する――という構図になっているのだ。もちろん満期時には契約解除も可能だが、様々な足かせがあるために移籍は欧米ほど簡単ではない。

日本と欧米では立場が微妙に異なるボクサーのマネージャー業だが、主たる仕事が選手の利益保護であることには変わりない。

<つづく>


Written by ボクシングライター原功

©NAOKI FUKUDA

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