25th

WOWOW

PC版

ご加入はこちら

Excite Match エキサイトマッチ~世界プロボクシング スペシャルページ

コラム

バックナンバーを開く▼

その他

バックナンバーを開く▼

コラム / 海外ボクシングコラムVol.62

大王、幽霊、キングコングから蛆虫まで
~ボクサーのニックネームIII~

いくつか現役のトップ選手のニックネームから面白いものを拾ってみよう。 元WBC&IBF世界スーパー・ライト級王者デボン・アレクサンダー(米)は、その名のとおり「アレクサンダー大王」を名乗っており、WBA世界バンタム級"スーパー王者"アンセルモ・モレノ(パナマ)は、柔軟な体と足で相手の攻撃をかわしてしまうことから「幽霊」と称されている。

元IBF世界バンタム級ジョセフ・アグベコ(ガーナ/米)は「キングコング」と呼ばれているが、これは戸籍上のミドルネームというから驚きだ。

意外に多いのが「テリブル(恐怖の男)」である。古くはバンタム級とフェザー級の王者だった「テリブル・テリー」ことテリー・マクガバン(米)が有名で、近年では元4階級制覇王者エリック・モラレス(メキシコ)が広く知られている。90年代に活躍した元世界スパー・ウェルター級王者テリー・ノリス(米)もいる。有名無名問わず、韻を踏むテリー名の強打者には付けやすいニックネームなのだろう。

反対に技巧派に多いのが「マジックマン」だ。もちろん相手の攻撃を無にしてしまうテクニックを指してのことである。現役選手ではライト・ヘビー級のアントニオ・ターバー(米)、WBA世界ウェルター級王者ポール・マリナッジ(米)らが有名だ。

ヘビー級の支配者ビタリ&ウラディミール・クリチコ(ウクライナ)の兄弟は、似た異名を持っている。兄ビタリが「アイアン・フィスト(鉄の拳)」、弟ウラディミールが「スチール・ハンマー(鋼鉄ハンマー)というもので、ほぼ同義語といっていいだろう。その活躍ぶりも実績も甲乙つけがたいものがある。

もちろん、「ジャッカル」(ギジェルモ・リゴンドー:キューバ/米=WBA世界スーパー・バンタム級王者)、「コブラ」(カール・フロッチ:英=IBF世界スーパー・ミドル級王者)といった獰猛な生物系も幅を利かせている。

こうした一方、兎や鳩、ラッコ、コアラ、シマウマなどを冠したボクサーは皆無といえる。当然といえば当然だろう。ただし、11月3日に山中慎介(帝拳)の持つWBC世界バンタム級王座に挑戦したトマス・ロハス(メキシコ)の「グサノ(芋虫)」や、70年代にマービン・ハグラー(米)に勝ったこともある元ミドル級世界ランカー、ウィリー・モンロー(米)の「ワーム(蛆虫)」のように、嫌われ虫を名乗るボクサーは存在する。このあたりがボクサーのニックネームの奥深い面といえるだろう。

日本ではWBC世界スーパー・フライ級王者・佐藤洋太(協栄)のニックネームを公募したところ、数多くの候補の中から「マジカルボックス」が採用された。これは一般公募という稀有な例といえる。まだまだ市民権を得るまでには至っていないが、この愛称が浸透していくかどうかは今後の佐藤の活躍にかかっている。


Written by ボクシングライター原功

ジョセフ・アグベコ

©NAOKI FUKUDA

▲ページTOPへ

blank