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コラム / 海外ボクシングコラムVol.56

常識はずれのリバウンドが横行
~ボクシングの基礎講座 計量(2)~
試合時の体重に大差が出ることも

いまや世界戦にかぎらずボクシングの計量が試合の前日に行われることは前回に記したとおりだ。90年代前半に採り入れられたシステムもすっかり馴染んだといえるが、当初から抱えている課題もある。前日計量を逆手にとって減量幅を大きくし、計量後のリバウンドも大きくして体重で優位に立とうとする選手が後を絶たないのである。

選手の健康面を気遣って採用された前日計量だが、そのままの意味に解釈している選手や関係者は意外に少ない。体力回復の時間が増えたため以前にもまして減量幅を増やし、計量後の1日で大幅な増量を狙う選手が少なくないのだ。

最近では、何度か日本のリングにも上がったウーゴ・カサレス(メキシコ=元世界L・フライ級 & S・フライ級王者)がリバウンドの大きい選手として知られる。普段は62キロを優に超えるカサレスは10キロ以上に及ぶ減量後に115ポンド(約52.1キロ)で計量をパスすると、試合までの1日で飲食して7キロから8キロ近くも体重を戻してしまうのだ。

西岡利晃(帝拳)が標的にしている4階級制覇王者ノニト・ドネア(フィリピン)も同様だ。バンタム級時代には試合によってリバウドを7ポンド(約3キロ)に抑えたり、17ポンド(約7.7キロ)に増やしたり自在に変えたのだと明かしている。相手がスピードのある選手の場合は軽めにして、パワーがある相手との試合では力負けしないためにリバウンドを多めにしたというのである。
こうした選手が少数派だと言い切れないところが問題の深刻さを表している。

カサレスの相手のリバウンドが3キロだった場合、実際のリングで対峙しているのは60キロ対55キロということになる。体重だけをみるならば、ライト級の選手と3階級下のS・バンタム級の選手が試合をしていることになるのだ。もちろん重ければいいわけではなく、その分だけ動きに精彩を欠く場合があるため一概に優位だとは言い切れないが、不公平が生じていることは事実だ。 こうしたことがまかり通っているとなると、体重制競技の根幹が揺るぎかねない。なによりも健康面で問題ありということになる。

そのため、統括団体や各地域コミッションは近年、折々に“体重制限”を設けて対応していくことになった。その策とは?

<つづく>


Written by ボクシングライター原功

4階級制覇王者ノニト・ドネア

前日計量の模様

©NAOKI FUKUDA

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