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コラム / 海外ボクシングコラムVol.47

ボクシングの基礎知識 採点についてI

ボクシングが採点競技としての側面を持っていることはこれまでにも触れてきたが、その割合は統計上55パーセント~60パーセントに上る。試合がKOやTKOで終わることなく規定ラウンドを終了した場合、あるいは負傷で続行不可能となった場合など、勝敗はリングサイドに控えた3人のジャッジの採点によって決められる。では、ジャッジはどんな点を基準に採点をしているのだろうか。


採点基準に関して、財団法人日本ボクシングコミッション(JBC)のルールブックには、以下のように規定されている。

一.クリーンエフェクティブヒット
  正しいナックルパートによる的確かつ有効な加撃。有効であるかないかは、主として相手に与えたダメージに基づいて判定される。
ニ.アグレッシブ
  攻撃的であること。ただし、加撃を伴わない単なる乱暴な突進は攻撃とは認められない。
三.ディフェンス
  巧みに相手の攻撃を無効ならしめるような防御。ただし、攻撃と結びつかない単なる防御のための防御は採点されない。
四.リングゼネラルシップ
 戦術的に相手に勝り、巧みな試合運びによって自らのペースにもっていくこと。


このうち最も重視されるのは(一)の「クリーンエフェクティブヒット」である。これはいわゆる有効打を指している。JBCのルールでは比率にまでは触れていないが、世界的な統括団体のひとつであるWBC(世界ボクシング評議会)では、「有効打の評価比率は全体の75パーセント相当」と具体的に示されているほどだ。  難しいのは有効打そのものの見極めと、そのパンチがもたらすダメージの程度の推測である。腰が落ちるとか膝が揺れるなど、いわゆる「効いた」状態が現れれば分かり易いが、そう高い頻度で現れるものでもない。また、経験値の高い選手ともなると相手やジャッジにダメージを見破られまいとポーカーフェイスを貫くことも多く、判断は容易ではない。
ヒットの瞬間がジャッジの死角に入ってしまうケースもある。異なる位置に3人を配するのは、そのためでもある。


(ニ)の「アグレッシブ」についても説明の必要があるだろう。格闘競技ゆえ一般的視点からは重視されがちな傾向にある「アグレッシブ」だが、有効打を伴わない場合は十分な評価は得られない。
 たとえば選手Aが多くのパンチを出しながら前進し、手数の少ない選手Bが後退を繰り返す展開だったと仮定しよう。ともに有効打が皆無だった場合は攻撃的だったAにポイントが与えられるべきだが、有効打でBが明らかに勝った場合はBにポイントが与えられるべきなのである。


(四)の「リングゼネラルシップ」は主導権支配という言葉に置き換えることもできる。1ラウンド3分間をどちらが主導で進行したかという点が評価の対象になるのだ。
 リングの裁判官ともいうべきジャッジはこれらを瞬時に判断し、インターバル中にスコアカードに記入しなければならない。試合の勝敗だけでなく、ときには選手の人生をも左右する重要なカギを握っているのだから責任は重大だ。



Written by ボクシングライター原功

「ビクター・オルティスvsレイモント・ピーターソン」2010/12/11

※10回引き分け時には勝者が決しない試合もある

©NAOKI FUKUDA

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