25th

WOWOW

PC版

ご加入はこちら

Excite Match エキサイトマッチ~世界プロボクシング スペシャルページ

コラム

バックナンバーを開く▼

その他

バックナンバーを開く▼

コラム / 海外ボクシングコラムVol.42

アメリカ進出で大成功を収める
~マニー・パッキャオ 波瀾の半生(2)~
名匠ローチ氏との出会いが幸運呼ぶ

20歳直前で世界王者になったパッキャオだが、2度目の防衛戦で思わぬ落とし穴にはまってしまう。減量に失敗し、計量で規定体重をオーバーしてしまったのである。試合を前にしてベルトを失ったうえ試合でも3回TKO負け――英雄は一夜にして凋落した。

パッキャオの第2章はこのあと、大きな冒険からスタートする。再起戦で一気に3階級アップし、スーパー・バンタム級に転向したのだ。6連続KOで勢いを取り戻すと、今度はアメリカに渡るという賭けに出た。ここでパッキャオは現在もコンビを組むフレディ・ローチ・トレーナーと出会う。会ったその日にミットを受けたローチ氏は「感銘を受けた」と話す。「とにかくスピードとパワーがすごかった。人間性に関しても、昔から知り合いだったようなフィット感があった」と10年前を回顧している。

運命的な出会いの直後、もうひとつの幸運が舞い込む。オスカー・デラ・ホーヤ(アメリカ)の5階級制覇がかかった注目イベントの前座で、IBF世界スーパー・バンタム級王者リーロ・レジャバ(南アフリカ)に挑戦しないかと打診が来たのだ。予定していた相手が負傷したための代理挑戦ということで試合まで2週間という慌しさだったが、ふたりは快諾した。この試合でパッキャオは豪快な6回KO勝ちを収め、2階級制覇を成し遂げた。以後、パッキャオはボブ・アラム・プロモーターの寵愛を受けることとなる。

4度の防衛後、アラム・プロモーターはマルコ・アントニオ・バレラ(メキシコ)との試合を組む。パッキャオにとっては荷の重いテスト・マッチと思われたが、意外なほど一方的な内容でパッキャオはこれをクリアしてみせた。

以後、パッキャオは世界王者をはじめ数々の強豪を立て続けに屠って第一人者の地位を確立していった。今回、3度目の対決を待つマルケス、さらにエリック・モラレス、オスカー・ラリオス、ホルへ・ソリス、アントニオ・マルガリートといったメキシカンに加え、デラ・ホーヤ、リッキー・ハットン(イギリス)、ミゲール・コット(プエルトリコ)、ジョシュア・クロッティ(ガーナ)、シェーン・モズリー(アメリカ)など。近年のパッキャオの活躍ぶりは多くの人が知るところである。

レジャバ戦以後の10年間の戦績は23戦20勝(14KO)1敗2分というもの。そのうち実にのべ18人が元、現役、後の世界王者である。しかも最近の3年間は自分よりも明らかに体格で勝る相手との試合が続いている。

パッキャオの6階級制覇の価値は、こういった点で他者の追随を許さないものとして高評価できる。
「パッキャオが優れているのはスピード、パワー、そしてデザイアー(欲望)の3点だね。特にデザイアーに関しては特別なものを感じるんだ」と、ローチ・トレーナーは愛弟子を評している。

パッキャオの活躍はリングの上だけに留まらない。昨年5月からはフィリピンの下院議員の肩書も加わり、公私ともに大忙しの毎日が続いている。

パッキャオとローチは「あと数試合で引退する」と口を揃える。マルケス戦をはじめ今後、どんなストーリーが綴られるのだろうか。


Written by ボクシングライター原功

第1戦 2004/5/8

©NAOKI FUKUDA

▲ページTOPへ

blank