25th

WOWOW

PC版

ご加入はこちら

Excite Match エキサイトマッチ~世界プロボクシング スペシャルページ

コラム

バックナンバーを開く▼

その他

バックナンバーを開く▼

コラム / 海外ボクシングコラムVol.40

腹が減りすぎて寝られない!
~ 減量 PART3 ~
ボクサーたちが編み出した苦肉の策

ボクシングが体重ごとに17階級に細分されていることや、ボクサーが試合前日に行われる公式計量に合わせて設定体重をつくる義務を負っていること、そのために過酷な減量を強いられることなど、これまでエピソードを交えて2回にわたって紹介してきた。今回は減量期のボクサーが何を考えているのか、空腹とどう向き合っているのか、逸話を交えて紹介しよう。

腹が減っては戦はできぬ、とはよく言ったものだ。ボクサーは戦いの24時間前までは限界に近い空腹状態だが、試合前日の計量が済むと飲食が可能になる。減量幅やリバウンドに関しては前2回で触れてきたとおりだ。

では、減量の真っ最中には何を考え、減量とどう向き合っているのだろうか。元WBA世界スーパー・フライ級チャンピオンのセレス小林氏(現セレスジム会長)は、7~8キロの減量を強いられていた現役時代、こう話していた。
「腹が減って寝られないんですよ。だから夜中に近所を徘徊(散歩)したり、コンビニに寄って食べもしないヨーグルトを買ってみたり、意味もなく冷蔵庫を開けたり閉めたり。料理の本をパラパラとめくることもありましたね。食べられないから逆に食べ物に執着するんでしょうね。自虐的だと思うんですけど、仕方ないんですよ。で、試合が終わったらあれもこれも食べようと考えているんですが、実際に試合が終わるとそんな欲求は消えてしまうことが多いですね」

小林氏のように、試合前に食べ物に執着をみせる選手は多い。そして試合後にはサーっと欲が消えている場合が多いということも、多くのボクサーに共通していると聞く。

空腹による睡眠不足は多くのボクサーが経験していることでもある。体重調整と同時に体調もベストに仕上げる必要に迫られる選手は、では睡眠を得るためにどんな工夫をしているのだろうか。
小林氏は「少しでも擬似的な満腹感を得られるように減量用プロテインを少量の牛乳と氷で濃くつくり、それを振って泡を出して飲んだ」という。

また、ある元世界チャンピオンは「ボクは腹にさらしをきつく巻いて横向きに寝ましたよ。上を向いて寝たら腹の皮と背中がくっついてしまうんですよ」と話していたものだ。別の元世界チャンピオンは「意識して寝ようとしない方がいいのかも。ソファーに転がってテレビでも見て、いつの間にかうとうとしていて気がついたら朝になっていたということが多かったですよ」と話す。

ボクサーが相手と対峙して戦うのはリングの上だが、その前にも過酷な戦いを繰り広げているということがお分かりいただけただろうか。

<つづく>


Written by ボクシングライター原功

©NAOKI FUKUDA

▲ページTOPへ

blank