25th

WOWOW

PC版

ご加入はこちら

Excite Match エキサイトマッチ~世界プロボクシング スペシャルページ

コラム

バックナンバーを開く▼

その他

バックナンバーを開く▼

コラム / 海外ボクシングコラムVol.29

PPVの普及で上昇したボクサーの待遇 ~1試合の高額報酬記録~
タイソンは年間82億円稼いだことも

ボクシングに限ったことではないがプロフェッショナルとしての立場にいる者にとって、仕事で得る報酬の多寡は評価の重要なバロメーターといえる。どれだけの観客を集め、どれだけの入場料収益を挙げたか。あるいはペイ・パー・ビュー(PPV=有料番組)の契約件数はどれだけだったのか。アメリカを中心に現代のボクサーの報酬は、そうした人気によって決められているといってもいい。では、ボクシング史上、1試合で誰が最も多額の報酬を得たのだろうか。

日本では選手が試合をすることで得る報酬のことを「ファイトマネー」と呼び、すでに市民権を得ている感がある。しかし、これが「サラリーマン」などと同様に和製英語であることは意外に知られていないようだ。ちなみに英語圏では選手の報酬をPURSE(パース=金銭)と表記することが多い。

その昔、ボクサーに支払われる報酬は入場料収入の一部が充当されていた。しかし、映像メディアの発展と共に欧米のスポーツ・イベントの集金形態は劇的に変化してきた。いまや入場料収入だけに頼るのではなく、劇場の大画面で有料視聴するクローズド・サーキット方式や、一定額を払うことで視聴できるPPVが大きな役割を担うようになったのである。

PPVの視聴料金は試合の注目度によって異なる。1軒あたり30ドル前後(約2,500円)のときもあれば、先のマニー・パッキャオ(フィリピン)対シェーン・モズリー(アメリカ)のように約55ドル(約4,500円)のときもある。現代ではこれが選手の報酬の重要な財源になっているのである。

興行スケールの大きな注目試合の場合、選手に最低保障額を提示しておき、PPVの売り上げに応じて歩合で上乗せする方式を併用するケースがほとんどとなっている。近年、ボクサーの報酬が莫大なものになったのは、こうしたシステムの構築が大きいといえる。

よって、ボクサーの報酬額の記録を見ていくと、上位には近年のイベントと選手が並ぶことになる。

★96年11月のマイク・タイソン(アメリカ)vsイベンダー・ホリフィールド(アメリカ)第1戦
→タイソンに3,000万ドル(当時のレートで約33億円)
→ホリフィールドに1,100万ドル(約12億円)
★97年6月のタイソンvsホリフィールドII
→タイソン&ホリフィールドともに3,000万ドル(当時のレートで約35億円)
★2002年6月のレノックス・ルイス(イギリス)vsタイソン
→ルイス&タイソンともに各1,750万ドル(当時のレートで約23億円)

ただし、これらは最低保障金額で、報道によって数字にバラつきがあることを付記しておきたい。税金の問題があるのか、正確な最終受取金額が発表されないのは仕方ないことといえよう。

また、ルイス対タイソンの数字が他と比較して少ないのは、この試合がラスベガスのようなイベント収入の税優遇措置がとられていないテネシー州メンフィスでの興行だったことを考慮する必要もある。

さらに、96年に限定するならば、この年にタイソンは3試合で合計約82億円の収入があったと伝えられるから驚きだ。 しかし、のちにこれらを上回る記録が樹立されることになる。

(以下、つづく)


Written by ボクシングライター原功

©NAOKI FUKUDA

▲ページTOPへ

blank