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コラム / 海外ボクシングコラムVol.118

<世界のトップボクサー>
全勝街道を突っ走るライト級王者
テレンス・クロフォード(アメリカ)II

08年3月のプロデビューから半年後、クロフォードは近所のトラブルに巻き込まれ、頭部に銃弾を受けるという事件に遭遇した。幸いにして傷は軽く済んだが、2週間後に迫っていた試合は2ヵ月ほど延期しなければならなかった。

こうしたアクシデントはあったもののクロフォードは順調に白星を重ねていった。11年に入ると大手のトップランク社とプロモート契約を交わし、世界路線に乗った。同社が手掛ける注目ファイト、ユリオルキス・ガンボア(キューバ)対ダニエル・ポンセ・デ・レオン(メキシコ)の試合や、ブランドン・リオス(アメリカ)対リチャード・アブリル(キューバ)の試合のアンダーカードに出場しながらクロフォードは実力を蓄えていった。12年が終わった時点の戦績は19戦全勝(15KO)という申し分のないものだった。

13年3月、クロフォードは思いがけず大きなテストマッチに臨むことになった。ブレイディス・プレスコット(コロンビア)の挑戦を受ける予定だったWBA世界S・ライト級王者カビブ・アラクベルディエフ(ロシア)が、試合の1週間前になって肘を痛めたため出場できなくなり、急遽、前座に出場する予定だったクロフォードに白羽の矢が立ったのだ。HBOテレビの放送枠に穴をあけるわけにはいかないトップランク社の推薦で決まった急造カードだった。プレスコットはアミール・カーン(イギリス)を54秒でKOしたこともある強打者で、リスクの高い相手といえた。加えてクロフォードにとっては初めてのS・ライト級、初めての10回戦でもあった。しかし、25歳の俊英はラスベガスのリングで危険な強打者を完封、99対91、97対93、100対90という三者一致の判定勝ちを収めてみせた。

トップランク社の信頼とHBOテレビの後ろ盾を得たクロフォードは、3ヵ月後にはアレハンドロ・サナブリア(メキシコ)を6回TKOで下してNABO北米ライト級王座を獲得。10月にはアンドレイ・クリモフ(ロシア)とのWBO挑戦者決定戦も勝ち抜いた。
今年3月、WBO世界ライト級王者リッキー・バーンズ(イギリス)の地元グラスゴーに乗り込んだクロフォードは、4度の防衛を誇る王者をスピードで圧倒、文句なしの12回判定勝ちを収めて頂点に駆け上った。初防衛戦では3階級制覇の実績を持つガンボアから4度のダウンを奪って9回TKO勝ち。11月のV2戦では指名挑戦者レイムンド・ベルトラン(メキシコ)をスピードとスキルで完封した。クロフォードの才能はこの1年で大きく開花したといっていいだろう。楽しみなのは、まだまだ伸びしろがある点だ。

6歳の義娘と3歳の長男、そして14年9月に誕生した次男の父親でもあるクロフォードは、「自分はカウンター・パンチャー型だが、どんなスタイルにも対応できる」と自己分析している。それを証明するように、生来の右利きながら右構えでも左構えでも戦える器用さを備えている。
すでに「ライト級最強」の評価を得ている25戦全勝(17KO)の27歳は、S・ライト級からウェルター級進出も視野に入れている。リングの「ハンター」、テレンス・クロフォードの時代がやってきた。


Written by ボクシングライター原功

テレンス・クロフォード

テレンス・クロフォード

©NAOKI FUKUDA

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