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コラム / 海外ボクシングコラムVol.114

<世界のトップボクサー>
「パッキャオの次はメイウェザーだ」
クリス・アルジェリ(アメリカ)II

アルジェリはキックボクシングで2団体の世界王者になるなど20戦全勝というレコードを残し、国際式への転向を果たす。アマチュアボクシングの試合経験があることがプロの前提となっているアメリカでは、アルジェリのようなケースは稀有な例といえよう。08年4月、ニューヨークのブルックリンで初陣に臨んだアルジェリは、7戦のキャリアを持つ相手を3回TKOで下し、デビュー戦を白星で飾った。24歳の誕生日の1ヵ月後のことだった。

その後、アルジェリは178センチの長身と183センチのリーチを生かしたアウトボクシングで順調に勝利を重ねていく。10年から11年にかけて14ヵ月のブランクをつくった以外はコンスタントにリングに上がり、東海岸のホープのひとりとして名前が挙がるまでになった。13年7月、アルジェリに最初のハードルがセットされた。世界戦の経験も持つベテランのマイク・アルノーティス(ギリシャ)との試合が組まれたのだ。このテストマッチを大差の判定勝ちでクリアしたアルジェリは今年2月、WBO世界S・ライト級13位に名を連ねるエマニュエル・タイラー(アメリカ)と拳を交え、3対0の10回判定勝ちを収めた。これが出世試合となり、翌月にはテイラーに代わってWBO13位にランクされた。ルスラン・プロボドニコフ(ロシア)の挑戦者として抜擢されたのは、その4ヵ月後のことだった。「シンデレラ・チャンピオン」と呼ばれるのは、こうした経緯があるからだ。一試合で人生が激変することもあるボクシングだが、アルジェリのような例はそうそうあるものではない。

しかも、プロボドニコフに競り勝ってWBO世界S・ライト級王座を獲得したことで、今度はマニー・パッキャオ(フィリピン)の対戦相手に指名されたのである。アルジェリの共同プロモートを手掛けているジョー・デガーディア氏とアーチー・ペルーロ氏は、さすがにパッキャオ戦に関しては躊躇したと明かすが、大きな賭けをすることを決断した。

パッキャオ対アルジェリのWBO世界ウェルター級タイトルマッチは11月23日(米国時間の22日)、中国特別行政区マカオで行われる。試合はS・ライト級のアルジェリに考慮して、ウェルター級リミットよりも3ポンド軽い144ポンド(約65.3キロ)の契約で行われることになっている。この試合のアルジェリの報酬は140万ドル(約1億5000万円)と伝えられる。キックボクサー時代に3000ドル(約32万4000円)の報酬でリングに上がっていた男は、プロボドニコフ戦で10万ドル(約1080万円)を手にするまでになり、ついには100万ドル超を稼ぐファイターになったのである。ちなみに使い道を尋ねられたアルジェリは「学生ローンの返済に充てたい」と答えている。

63戦56勝(38KO)5敗2分の6階級制覇王者に対し、アルジェリは20戦全勝ながら8KOと数字の上でも迫力を欠くことは否めない。オッズ(賭け率)も12対1の大差でパッキャオ有利と出ているほどだ。しかし、アルジェリは自信を口にしている。「たしかに私はパワー・パンチャーではないが、コツコツ当てていけばダメージは蓄積するはず。終盤にKOチャンスが来ると思う」

さらに、俳優でも通用しそうな端正な顔を綻ばせ、アルジェリは近い将来の夢を語る。「パッキャオに勝てば大きな扉が開く。そしたらフロイド・メイウェザー(アメリカ)と戦いたい」


Written by ボクシングライター原功

クリス・アルジェリ

クリス・アルジェリ

©NAOKI FUKUDA

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