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コラム / 海外ボクシングコラムVol.110

<世界のトップボクサー>
3戦で王座獲得 次の目標は王座統一
ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)II

08年北京大会(フェザー級)、12年ロンドン大会(ライト級)とオリンピック連覇を果たしたロマチェンコは、AIBA(アマチュア国際ボクシング協会)が主催するプロ仕様の国際大会「ワールド・シリーズ・オブ・ボクシング」(WSB)に出場し、6戦全勝をマーク。これを手土産にプロ転向を果たすことになる。プロ入りに際してロマチェンコはオスカー・デラ・ホーヤ率いるゴールデンボーイ・プロモーションズをはじめトップランク社、メインイベンツ社など大手と交渉。そのうえで、アドバイザーを務めるエギス・クリマス氏と親交のあったトップランク社と手を組むことにした。「プロの戦い方に慣れていないことを心配する人もいるが、すぐに慣れるはず。心配はしていない。私はプロでも歴史をつくってみせる」とロマチェンコは自信を口にした。13年7月のことである。

マニー・パッキャオ(フィリピン)やノニト・ドネア(フィリピン)らスター選手を数多く抱えるトップランク社との契約に際し、ロマチェンコはひとつの条件を提示した。そのときのことをボブ・アラム・プロモーターが明かす。「驚いたことに彼(ロマチェンコ)は『プロデビュー戦で世界挑戦させてくれ』と言ってきたんだ。しかし、それは無理なので、まずはデビュー戦で世界ランカーと戦い、その次に世界挑戦を組むと約束したんだ」

プロデビュー戦は13年10月12日、ラスベガスで組まれた。WBO世界ウェルター級王者ティモシー・ブラッドリー(アメリカ)対4階級制覇王者ファン・マヌエル・マルケス(メキシコ)の大一番のアンダーカードだった。相手はWBO世界フェザー級7位にランクされていたホセ・ラミレス(メキシコ)。試合はラミレスの持つWBOインターナショナル王座にロマチェンコが挑むかたちで行われた。デビュー戦がいきなり世界ランカー相手の10回戦とは、異例中の異例といえた。この試合でロマチェンコは初回にボディブローでダウンを奪い、4回にも打撃戦のなかで左を相手のボディに突き刺してフィニッシュした。期待に違わぬ力量を見せつけた天才サウスポーは、「次は世界挑戦」と先を見据えた。

今年3月1日、ロマチェンコはオルランド・サリド(メキシコ)に挑戦したが、試合前日の計量でサリドが体重オーバーのためWBOフェザー級王座を剥奪されるというハプニングに遭遇。試合でも前半にペースを抑えたことが裏目に出てポイントを失い、僅少差の判定負けを喫してしまった。それでも最終12回にはベテランをKO寸前にまで追い込んでみせた。

そして6月21日、サリドが失って空位になった王座をゲイリー・ラッセル(アメリカ)と争ったロマチェンコは、文句なしの12回判定勝ちを収めて戴冠を果たした。39年前にセンサク・ムアンスリン(タイ)が樹立した最速記録に並ぶ3戦目での王座獲得だった。

いま、フェザー級にはWBAスーパー王者のドネアをはじめレギュラー王者のニコラス・ウォータース(ジャマイカ)、IBF王者イブゲニー・グラドビッチ(ロシア)、そしてWBC王者ジョニー・ゴンサレス(メキシコ)など錚々たるメンバーがトップに名を連ねている。トップランク社も統一戦に大乗り気だ。ロマチェンコの目もすでに統一戦に向けられている。「防衛戦はランキングの上位者から順に声をかけていく。そして他の団体のチャンピオンと戦って王座を統一したい。とにかく強い相手と戦って自分の実力を証明していきたいんだ」と26歳の天才は意欲をみせる。“ハイテク”の異名を持つサウスポーから目が離せなくなってきた。


Written by ボクシングライター原功

ワシル・ロマチェンコ

ワシル・ロマチェンコ

©NAOKI FUKUDA

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