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コラム / 海外ボクシングコラムVol.107

<世界のトップボクサー>
31戦全KO勝ちのブロンズ・ボンバー
デオンテイ・ワイルダー(アメリカ)I

ボクシングの華ともいわれるノックアウト(KO)だが、そのKOは観客はともかく選手にとって早ければ早いほどいい。自身のダメージが少なく、拳や顔面の負傷も最小限に抑えられるからだ。ただし、相手のある格闘技だけにそれが至難の業であることも事実で、KO決着の確率は4割台というデータもある。
そんななか、デビューから31戦全KO勝ちを収めている怪物がいる。話題の主はデオンテイ・ワイルダー(28=アメリカ)。WBC世界ヘビー級1位にランクされるワイルダーは、年内にも世界挑戦が予定されている。

130年になろうかという近代ボクシングの歴史上、連続KOに関しては以下のような記録が記されている。
(1)44=ラマー・クラーク(アメリカ)
(2)43=ビリー・フォックス(アメリカ)
(3)36=ウィルフレド・ゴメス(プエルトリコ)
(4)33=ボブ・アロッティ(ガーナ)
(5)31=デオンテイ・ワイルダー(アメリカ)
(6)30=ルーベン・オリバレス(メキシコ)
  30=ホセ・ウルタイン(スペイン)
(8)29=アルフォンソ・サモラ(メキシコ)
※ゴメス、オリバレス、サモラは世界王者
(日本ボクシング年鑑参照)

ちなみに、80年代から2000年代を席巻した元世界ヘビー級王者マイク・タイソン(アメリカ)の最多連続KO勝ちは「19」となっている。また「牛をも倒す」と恐れられ生涯で68KOを記録したジョージ・フォアマン(アメリカ)も、連続KOとなると「24」止まりだった。先ごろウクライナの首都キエフの市長になったビタリ・クリチコは「27」、その弟で現在V16中のウラディミール・クリチコ(ウクライナ)は「10」に留まっている。
こうした歴代の世界ヘビー級王者たちでさえ30の大台を超えることはできなかったのだ。
いかに連続KOが難しいかが分かるだろう。

とはいえ信憑性に疑問のあるクラーク、フォックスはともかく、世界戦を含むゴメス、オリバレス、サモラの記録と現在のワイルダーの数字を同格に扱うことには抵抗があるのも事実だ。なぜならば、まだワイルダーは本当の意味で試されていないからである。しかし、その数字のアピール度という点では、すでにワイルダーは“チャンピオン級”といっていいだろう。なにしろ08年のデビューから6年間、31戦すべてを4ラウンド以内で片づけているのだ。その内訳は1ラウンドKO=18度、2ラウンドKO=6度、3ラウンドKO=4度、4ラウンドKO=3度となっている。いまだに5ラウンド開始のゴングを聞いたことがないのである。

身長200センチ、リーチ211センチという恵まれた細身の体から繰り出される右ストレートは、破壊力も迫力も群を抜いている。加えて直近の試合では左フックで倒すなど、攻撃の幅を広げている。「ブロンズ・ボンバー(銅色の爆撃機)」と呼ばれるスラッガーは、低迷するアメリカのヘビー級に栄光を取り戻すことができるのか。


Written by ボクシングライター原功

デオンテイ・ワイルダー

デオンテイ・ワイルダー

©NAOKI FUKUDA

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