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コラム / 海外ボクシングコラムVol.103

<世界のトップボクサー>
2階級を制覇した「欧州のキング」
アルツール・アブラハム(アルメニア/ドイツ)I

1991年のソ連崩壊とともに独立を果たしたアルメニアは近年、数多くの優秀なボクサーを輩出している。来日経験もある2階級制覇王者ビック・ダルチニャン、S・ウェルター級の世界ランカー、バーネス・マーティロスヤンらが広く知られている。そして、ダルチニャンに次ぐ同国ふたり目の世界チャンピオン、アルツール・アブラハムも近年のボクシングシーンに欠かせないタレントのひとりとなっている。

アベティック・アブラハミャンが本名のアブラハムは1980年2月20日、ソビエト連邦構成下のアルメニアの首都エレバンで生まれた。3人兄弟の次男で、父親は会社の社長、母親は主婦という比較的恵まれた家庭環境だった。アルメニアが独立を果たした3年後、のちの世界王者が14歳のときに一家はドイツに移り住んだ。この前後、アブラハム少年は自転車競技にのめり込み、ドイツの大会で優勝したこともあるという。

本格的にボクシングを始めたのは自転車競技を引退した18歳のときだった。その後、兵役のために2年ほどアルメニアに帰国して2000年のシドニー五輪を目指したが、目的は果たせずドイツに戻った。その後もアマチュア活動を続けたが、03年8月、23歳のときにドイツでプロ転向を果たすことになる。アマチュア戦績は90戦81勝6敗3分というみごとなものだった。

プロ転向に際しアブラハムはスイスとドイツを拠点とする大手プロ、ウィルフレド・サウアランド氏が社長を務める「サウアランド・イベント」と契約を交わした。同社は「ウニベルスム・ボックス・プロモーショーン」(数年前に破産)と並ぶドイツの二大プロモーターで、マルクス・バイエル、スフェン・オットケといったドイツのスター選手のほかに、のちにWBA世界ヘビー級王者になるニコライ・ワルーエフ(ロシア)らのプロモートも担当していた。

アブラハムのプロ初陣は03年8月16日で、バイエル対ダニー・グリーン(オーストラリア)のWBC世界S・ミドル級タイトルマッチの前座だった。3回TKO勝ちでプロのスタートを切ったアブラハムは、その後も順調に白星を重ねていった。04年が終わるころには14連続KO勝ちを記録、WBAインターコンチネンタル王座も獲得するという早い出世だった。

ネイダー・ハムダン(オーストラリア)、イアン・ガードナー(カナダ)、元世界王者エクトール・ベラスコ(アルゼンチン)、さらにハワード・イーストマン(イギリス)といった実績も知名度もある強豪たちを連破したアブラハムは05年12月、キングスレイ・アイキキ(ウガンダ)との王座決定戦を5回KOで制し、IBF世界ミドル級タイトルを獲得した。プロ転向からわずか2年4ヵ月、19戦目(全勝17KO)での戴冠だった。


Written by ボクシングライター原功

アルツール・アブラハム

アルツール・アブラハム

©NAOKI FUKUDA

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