25th

WOWOW

PC版

ご加入はこちら

浜田剛史の世界トップ選手ウォッチ

※My番組登録はこちらから

ボクシング専門誌「ボクシング・ビート」(毎月15日発売)で連載中の「浜田剛史の世界トップ選手ウォッチ」を掲載!
浜田さんの選手分析を読んでから実際の試合をチェックすると、ボクシングの楽しみ方がますます広がります!

エルナン・マルケス
HERNAN “TYSON” MARQUEZ
(WBA世界フライ級王者)


2011年ボクシング・ビート
6月号掲載

4月にルイス・コンセプシオンに挑戦、ダウン応酬の末11回 TKO勝ちして王者獲得。昨年7月の世界初挑戦では、S・フライ級でドネアに8回TKO負けだった。メキシコ・ソノラ州出身、22歳。キャリア6年で30勝23KO2敗。「タイソン」のニックネームがある。


サウスポーのボクサーファイター。元気のある選手ですね。ドネアに挑戦した時は若さだけが目立って勝てませんでしたが、それでも勇敢でいい選手だと思いました。今は若さプラス、ドネア戦も含めて経験を重ねてよくなりましたね。コンセプシオン戦では、パンチの合わせるタイミングもうまくなっているし、若さプラス、落ち着きが出てきました。ボクシングもまとまりかけてきて、安定感が出てきたように思います。


この試合、マルケスは1回にいいのを食ってダウンした。KO負け寸前だったのですが、コンセプシオンがKOを狙って出てきたところに、カウンター気味のパンチでダウンを奪い返した。


コンセプシオンがラフで強引に行きすぎた点もあったのですが、あの状況で自分のボクシングをやり切れたというのがいいですね。あれだけ強引にこられると、普通は一緒になって振り回してしまいますが、うまく対応していた。コンセプシオンが右ストレート、右ストレートと出てきたところに、マルケスは右フックを引っかけた。これはサウスポーの利点ですが、結果的にこの右が活きた内容でしたね。コンセプシオンは力勝負の選手なので、技だけでは止め切れない。やはり力もないとダメなのです。


今回コンセプシオンがマルケスに負けたのは、左と右の違いはあれ、サウスポーのダルチニヤンがドネアにやられたのと逆パターンで似ています。ダルチニヤンが、右ガードを下げて出たところにドネアの左フックを食ったように、コンセプシオンが左のガードを下げて右を打ちに行ったところにサウスポー、マルケスの右フックを食ったと。


最後はコンセプシオンの目が腫れ上がって11回にストップになりましたが、10回にもマルケスは危ない場面があり、もう一度両者が対戦したとしたら、勝敗は分からない。


それはともかく、この選手はフォームのいいサウスポーで、安定したきれいなボクシングになってきたのは確かです。「タイソン」のあだ名がありますが、コンセプシオン戦ではタイソンらしくはなかった。相手が出てくる力の選手なので待ちのボクシングをしたのであって、普段はもっと攻め切れる選手なのでしょう。


KO率も高く、先ほど説明したように、サウスポーの利点を生かして相手の力を利用できるボクシングをします。右フックを引っかけたり、左サイドに回って左ストレートをカウンターしたり。少しセルヒオ・マルティネスにも似ていますね。マルティネスを小型にしたようなボクシングでもある。合わせるタイミングのよさがいいですね。


メキシカンは一発一発角度を決めて、パンチをためて打つ選手が多いのですが、この選手はそういうところはない。もっと柔軟に対応します。モーションかけるわけでもなく、スムーズに手が出る。流れがいいですね。この選手は。


32戦やって安定感も出てきているし、セルヒオ・マルティネスがチャンピオンになってから伸びたように、この選手もいくらでも伸びる可能性を秘めた選手です。KOもできる選手なので、期待通りに伸びるかどうかわかりませんが、どういうふうに伸びていくのか、楽しみなところがありますね。


では、日本選手が対戦した場合はどうか。清水智信、五十嵐俊幸もいるフライ級だけに、当然狙いたいところですが、勝敗は別にしてコンセプシオンよりはガードは悪いものの、パワーはあるので、あれでガンガン打ってこられると、みな迫力負けしてしまうところがあります。フライ級らしからぬボクシングでもあるのですね。その点マルケスはボクシングらしいボクシングをする。変則ではないし、サウスポーの利点を活かしたボクシングなので、相手からすると、予期せぬことをする選手ではないですから。日本選手とは、噛み合うことは噛み合いますね。


ボクシング・ビート2011年6月号より

※番組の選手表記と一部異なる場合がありますが「ボクシング・ビート」誌の掲載内容をそのまま掲載しておりますので、ご了承ください。

「ボクシング・ビート」連載中 世界トップ選手ウォッチ
新着記事

バックナンバー
2017を開く▼

バックナンバー
2016を開く▼

バックナンバー
2015を開く▼

バックナンバー
2014を開く▼

バックナンバー
2013を開く▼

バックナンバー
2012を開く▼

バックナンバー
2011を開く▼

バックナンバー
2010を開く▼

バックナンバー
2009を開く▼

RING JAPAN
日本ボクシングコミッション
TEIKEN.com
NAOPIX Fight Gallery by Naoki Fukuda
マイ番組登録をしよう!
ご加入はこちら
マイ番組登録をしよう!