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浜田剛史の世界トップ選手ウォッチ

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ボクシング専門誌「ボクシング・ビート」(毎月15日発売)で連載中の「浜田剛史の世界トップ選手ウォッチ」を掲載!
浜田さんの選手分析を読んでから実際の試合をチェックすると、ボクシングの楽しみ方がますます広がります!

ジャン・パスカル
JEAN PASCAL
(WBC世界L・ヘビー級王者)

うまいドウソンをかわした
頭脳とスピードのボクシング


2010年ボクシング・ビート
11月号掲載

8月の王座統一戦では暫定王者チャド・ドウソンに11回負傷判定勝ちして正規王座の3度目の防衛に成功した。この王座は2009年エイドリアン・ディアコヌーに判定勝ちして獲得。08年の世界初挑戦は英国でWBC・S・ミドル級王者カール・フロッチに判定負けだった。ハイチ生まれの27歳。カナダで育ち、モントリオールが本拠地。27戦26勝16KO1敗。百戦を超すアマ歴あり。


この選手、スタイルで言うとボクサー・ファイターになりますね。きれいなボクシングの部類に入るでしょう。スピードがあって、切れもある。左ジャブもよく出るし、ワンツー、右ストレート、左フックと、速い。アッパーなど、きれいなフォームで打ちます。連打もよく出るし、打っては離れ、足もよく動く。


防御は、ブロックよりも、よける選手ですね。上半身を使う、脚を使ってよける。ボクシングがまとまっているということは、安定していることです。ただ26勝16KOというと、強打者ではない。重量級では普通ですね。


パスカルの試合はこれまで、フロッチ戦を見ていますが、この時はフロッチが長身でパンチを大きく振る選手なので、お互い空振りが多かったという印象でした。フロッチには体力があるので、その分ポイントが流れてパスカルは判定負けした。それでも、フロッチのパンチがなかなか当たらなかったのは、パスカルの動きが速かったんです。大振りするフロッチ、そしてスピードのパスカルという戦いでした。


そんなイメージがあって、今度の試合、ドウソンは大きく、懐は深いし、パンチも確実に当てる。そして老獪な選手、小さい選手をつかまえるのがうまいんです。体格面、パワー面、いろんな面でドウソンの方が上だと見ていましたから、パスカルの勝ちは意外でした。番狂わせといってもいいでしょうね。


ドウソンは距離を取って攻める選手で、ドンドン前にくる。これに対してパスカルは動いて下がって、遠い距離からいきなり打っていく。そのパンチがよく当たった。特にサウスポーのドウソンに対していきなりの右がよかった。右を打ったら、接近して、まとめて2、3発打つとパッと離れる。ドウソンが構え直した時にはパスカルはまた動き始めている。最初から最後までこれに徹した。途中でドウソンのパンチが効いたところもありましたけど、ロープに詰まって、よくしのいで回復させながら、またスピードのボクシングに切り替えると。力比べをすると、ドウソンの方が上ですから。結局ドウソンにうまいボクシングをさせなかった――というのが勝因でしょう。それをできるだけの足のスピード、パンチのスピードがこのパスカルにはあるんですね。


負傷はバッティングでドウソンがカットしたのですが、それまでポイントは明らかにパスカルが取っていた。ドウソンが衰えたとは思いませんが、パスカルをなめてかかっていたというのはあったかもしれません。ドウソンは本来、頭を使うボクシングですけど、今回は、その頭脳ボクシングでパスカルが上回って勝った。


ちょうど、ポール・ウィリアムスがキンタナにタイトルを獲られた時の試合に似ていますね。勝って当たり前というサウスポーが、どんどん追いかけて、打たれてまた追いに行く――スタートからそんな展開だった。再戦ではウィリアムスも相手の動きが速いと分かっているので、スピードで対抗しながら、1ラウンドでキンタナを仕留めました。同じようにもし再戦した場合、ドウソンがパワーだけでなく、スピードも頭に入れながら、パスカルを待ち構えながら攻めていくと、パスカルも厳しくなると思いますね。


確かに安定した選手ではあります。危険を冒さない慎重さもあるし、弱点も少ない。ただ今後勝ち抜いていけるかというと、スピードだけでいろんな選手と対抗していくのは容易ではない。パスカルのパンチが効かず、相手にドンドン攻めてこられた場合など、不安はある。


ホプキンスと対戦(12月予定)とのことですが、パスカルが勝つ可能性は十分にあると思いますね。ただ凡戦の判定勝ちの可能性が高い。スピードのパスカル対オールマイティのホプキンスということになるでしょう。


ボクシング・ビート2010年11月号より

※番組の選手表記と一部異なる場合がありますが「ボクシング・ビート」誌の掲載内容をそのまま掲載しておりますので、ご了承ください。

「ボクシング・ビート」連載中 世界トップ選手ウォッチ
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