25th

WOWOW

PC版

ご加入はこちら

浜田剛史の世界トップ選手ウォッチ

※My番組登録はこちらから

ボクシング専門誌「ボクシング・ビート」(毎月15日発売)で連載中の「浜田剛史の世界トップ選手ウォッチ」を掲載!
浜田さんの選手分析を読んでから実際の試合をチェックすると、ボクシングの楽しみ方がますます広がります!

セルヒオ・マルティネス
SERGIO MARTINEZ
(WBC世界S・ウェルター&ミドル級王者)

闘牛士のようにパブリックを翻ろう うまいカウンター・パンチャー

2010年ボクシング・ビート
7月号掲載

セルヒオ・マルティネス

4月、ケリー・パブリックを攻略する殊勲でWBCとWBOの世界ミドル級統一王座を獲得した(WBOははく奪)。アルゼンチン・ブエノスアイレス出身、35歳。自転車、サッカーの選手から短期間のアマ歴を経て22歳でプロ入りし、08年、WBC暫定世界ウェルター級王座獲得。49戦45勝24KO2敗2分。


サウスポーの、基本的にはカウンター・パンチャーですね。パブリックに対しては、かく乱しないとパワーで圧倒されるので、トリッキーな試合運びをみせましたが、普通はもっときれいな、緩急つけたボクシングをします。


得意とするのは、左ストレートのカウンター。そして相手が出てくるところを右フックを引っかけて右サイドに出る。いきなり左から入っていくという攻め方も多い。相手が力んだところを狙い打つ。カウンターにもいくつかあって、この選手の場合は、相手が打つ前に打ち込むのではなく、打たせておいて、よけて打つというカウンターが得意です。そして足がよく動く。パブリック戦でも最後まで止まりませんでした。


大体が、相手に打たせておいてカウンターをとるというやり方ですが、相手に打たす前に本人は何をしているかというと、右に回ったり、左に回ったりと。右に回っている時には、右のジャブを突きながら、相手が打ってくるところを右フックでひっかけるというやり方しますね。左に動くときは、相手の右ストレートを左にかわして、左ストレートを打つと。


ただ、ウェルターからS・ウェルター、そして今度はミドル級で獲ったので、体力面でどうですかね、実際、パブリック戦を見ると、パワーで押されていましたからね。


この試合は相手との噛み合いがよかったから2階級獲れたのだと思いますね。パブリックは駆け引きなし、小細工なしの選手です。左ジャブ打って、右ストレート、このパターンはほとんど同じ。くっついた際に右アッパーを打つくらいですが、マルティネスはそれらを全部読んで、打っては下がる、また打って下がるで、ポイントを上げていた。


もうひとつ、マルティネスの勝因は、パブリックがサウスポーを苦手としていたこともあります。マルティネスの左ストレートをジャブの感覚で何発も食っていた。ひとりで空回りしていましたからね。


パブリック戦の前にやったポール・ウィリアムズ戦は、最初に両者効いたダウンを応酬して、最後は2-0判定でマルティネスの負けでした。ウィリアムズの方がどんどん攻撃してカウンターもとれるパターンでしたが、意地になって打ちにいって、マルティネスにカウンターを打たれ、苦戦させられてしまった。ただ、もう一度対戦したら分からない、ウィリアムズが判定でもいい、あるいは後半KOでもいいとどっしり構えて戦うと、マルティネスも苦しい。


S・ウェルター級王座を守ったシントロン戦は、記録上は引き分けですが、実質マルティネスの勝ちです。シントロンがダウンした時、本人がバッティングと勘違いして、レフェリーに訴え、これが認められてしまったんですね。シントロンもパブリック同様、真正直なボクシングしますから、こういう読める選手には、マルティネスは強い。闘牛士のようなボクシングをしますからね。


KO率が半分強ですか。でも、今まで倒したようなやり方は、今後ミドル級では難しいだろうと思いますね。パブリック戦も、カウンターをとるというよりは、当てるというパンチでしたからね。


この選手は、打ち合いを好むタイプではない。相手の打ち終わりを狙うとか、相手が戸惑っているところに左ストレートを伸ばしてジャブ気味のパンチを打つ。相手のやりにくいボクシングをして、相手のよさを殺す。ただ、このボクシングだと、人気が出るかどうか。どちらかというと、ヨーロッパで人気の出そうなスタイルですね。打ち合って勝ってきた選手ではなく、むしろ打たせずに勝ってきている選手。うまい選手ですが、ミドル級で圧倒的に強いとはいえない。


35歳――衰えは感じられませんが、これからこうすればもっと強くなるかということではなく、現時点で完成されたところがありますね。


ボクシング・ビート2010年7月号より

※番組の選手表記と一部異なる場合がありますが「ボクシング・ビート」誌の掲載内容をそのまま掲載しておりますので、ご了承ください。

「ボクシング・ビート」連載中 世界トップ選手ウォッチ
新着記事

バックナンバー
2017を開く▼

バックナンバー
2016を開く▼

バックナンバー
2015を開く▼

バックナンバー
2014を開く▼

バックナンバー
2013を開く▼

バックナンバー
2012を開く▼

バックナンバー
2011を開く▼

バックナンバー
2010を開く▼

バックナンバー
2009を開く▼

RING JAPAN
日本ボクシングコミッション
TEIKEN.com
NAOPIX Fight Gallery by Naoki Fukuda
マイ番組登録をしよう!
ご加入はこちら
マイ番組登録をしよう!