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浜田剛史の世界トップ選手ウォッチ

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ボクシング専門誌「ボクシング・ビート」(毎月15日発売)で連載中の「浜田剛史の世界トップ選手ウォッチ」を掲載!
浜田さんの選手分析を読んでから実際の試合をチェックすると、ボクシングの楽しみ方がますます広がります!

ルシアン・ブテ
LUCIEN BUTE
(IBF世界S・ミドル級王者)

相手に合わせ的確に打つのが巧いサウスポーの欧州型テクニシャン

2010年ボクシング・ビート
6月号掲載

2007年10月、アレハンドロ・ベリオ(コロンビア)に11回TKO勝ちし世界王座獲得。今年4月のミランダ戦まで5度防衛。08年12月、リブラド・アンドラーデ(メキシコ)に大差判定勝ちでV2も、試合終了ゴング前にダウンし、論議を呼ぶ。09年11月の再戦では4回KO勝ち。アマ世界選手権銅メダリストから99年にプロ転向以来、26戦全勝21KO。ルーマニア生まれだが、プロ入り後はカナダを拠点とする。


26勝21KOという数字からは、ハード・パンチャーを想像しますが、実際はテクニシャン、サウスポーのテクニシャンですね。


肩幅があって、腕の長さはそう長くはないものの、サウスポーの長所をとことん生かしている。まず相手からすると構えが反対なのでやりにくい。そして、相手が打ってきたところを合わせて打つという戦法をとるんですね。KOが多いのはこれがうまいからです。決して大振りではない。強振するのではなく、コツンコツンと当てるんですが、しっかりと急所を的確に当てるので、相手は倒れるというパターンですね。


元々はルーマニア出身で、ヨーロッパ・スタイルです。この地域はアブラハムのようなタイプは例外ですが、打ち込むというよりは、相手のパンチを芸術的によけて、自分のパンチを合わせるとか、紳士的なお客さんが喜ぶボクシングが多いですね。この選手もその1人で、強振しないから、カウンターを受けにくい。


得意とするパンチは、相手が来たときに左ストレートをカウンターする、そして前に出てきたところを右フックで引っかけて、自分は右に回ると。常に相手がやりにくいように、相手の正面にいないというやり方をします。しいていえば、自分から打ちに行く得意パンチは、ワンツー・ストレートですが、これが当たったらという決定的威力はないです。


同じS・ミドルではジョー・カルザギがいますが、ブテとは同じサウスポー、同じアマチュア出身でもスタイルはずいぶんと違います。カルザギは連打型のKOパンチャーでしたが、この選手は合わせてのパンチャーであると。カルザギはボクサー・タイプの長身でリーチも長い選手ですけど、攻撃的に出て倒す。ブテは相手が打ってくるところにパンチを合わせながら倒していく。カルザギは数多く打ってKOするというやり方でしたが、この選手は一発で倒すこともありますが、迫力ある倒し方とはちょっと違う。やりにくさを前面に出しながら、相手の隙をついて、急所、急所をしっかりと当てるという戦法です。


「スーパー・シックス」は番狂わせ続きですが、もしブテが出ていれば安全運転型ですから、優勝の可能性もあったでしょうね。


このクラスはパンチのある選手、スピードのある選手がいますが、ブテは安定している、チャンピオンの中ではそんなにこわさがあるという選手ではない。


例えばスピードのあるウォードなどが立て続けの連打できた場合には、最初の2、3発はよけても、そのまま押し切られるという可能性もあるし、どちかといえば大事に戦う選手、勝ちに行くというよりも、守りを大切にする選手ですね。カルザギのように、息もつかさず攻めて、連打が速くて、呼吸もできない間に倒れてしまうというパターンではないから、相手からすると、どこかでひと呼吸置けるところはありますね。


アンドラーデとの初戦はフルマークだったようですが、おそらく当てて、当てて、当てて、それでも相手は打ってくるわけです。そして最後は体力でこられて、ブテはダウンとられてKO寸前になった。アンドラーデのような選手は、スピードと切れのあるパンチには弱いのですが、コツン、コツンと当てられるパンチはいくらでも慣れるんですね。


再戦でもブテがKO勝ちしたのは、アンドラーデにダメージの蓄積があったからだと思います。ケスレルにもメッタ打ちされ、顔でガードしているところがありましたから。


アブラハムのようなタイプとやれば、ブテの判定勝ちか、後半KO負けもありますね。アブラハムは、スタートはあまり攻めないですから。


ボクシング・ビート2010年6月号より

※番組の選手表記と一部異なる場合がありますが「ボクシング・ビート」誌の掲載内容をそのまま掲載しておりますので、ご了承ください。

「ボクシング・ビート」連載中 世界トップ選手ウォッチ
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