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浜田剛史の世界トップ選手ウォッチ

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ボクシング専門誌「ボクシング・ビート」(毎月15日発売)で連載中の「浜田剛史の世界トップ選手ウォッチ」を掲載!
浜田さんの選手分析を読んでから実際の試合をチェックすると、ボクシングの楽しみ方がますます広がります!

アンドレ・ウォード
Andre Ward
(WBA世界S・ミドル級チャンピオン)

相手を圧倒するスピードが武器 「スーパー6」優勝もある!?

2010年ボクシング・ビート
4月号掲載

アンドレ・ウォード

「スーパー・シックス・トーナメント」に参戦し、去る11月地元米カリフォルニア州オークランドでミケル・ケスレル(デンマーク)に3―0判定勝ちで新王者となる。アマチュアで114勝5敗。04年のアテネ五輪L・ヘビー級金メダリストから同年プロ転向。今日まで21戦全勝13KO。身長185センチ。26歳。


「スーパー6」はいろいろと予想がありましたが、ウォードもいい選手ではあるけれど、まだ安定感がないということで、優勝候補ナンバーワンのケスレルがなめていたということはあると思います。それにしても、ワンサイドの判定でしたからね。


ウォードがこんなにも急激に安定するものかと、意外でしたね。プロデビュー当時に見ているんですが、五輪から4年は早い、ま、6、7年はかかるであろうと思っていた選手が、急成長していた。


ケスレルは体力があってパンチもある。これで相手にプレッシャーをかけていくんですが、ウォードは打っては離れ、打っては離れで、ケスレルはスタートで出端を挫かれて、最後まで調子に乗れなかった。ウォードは最初から最後までスピードで上回っていた。やはりこの選手は、スピードのボクシングなんです。動きのスピード、パンチのスピードと全部あるんですね。S・ミドル級で、パンチがあるかというと、パンチャーではない。ただ、スピードは一級品のものがあります。


もしケスレルが、ウォードが速いと認識し、スピードに対してスピードで対抗しようと戦っていれば、あれほどの差で負けることはなかったと思います。ケスレルはそれ以前、1敗しているジョー・カルザゲ戦でも同じようなところがあった。


ウォードのタイプは右のボクサー・ファイター、もしくはボクサーです。攻撃型というほどでもない。五輪で金を獲った選手らしく、スマートできれいなボクシングをする。カウンターをとる選手ではなく、スピードで圧倒するボクシング。常に速いステップで打って、すぐ戻って、打って離れて、打って離れて。これが止まらないところがある。最初の頃はボクシングが不安定で、ポカをする可能性もあったのですが、ケスレル戦を見ると、そういう不安は消えていました。


左のリード・ジャブが速いですね。一番強いのは、右ストレートかもしれない。相手からすると、止まらないから、ついていけない。


名前のある相手との対戦はつい最近からですが、これはキャリアを積むという、持っていき方でもあったのでしょう。ダウン経験もありますし、打たれ強くはないでしょうからね。


「スーパー6」にはもう1人優勝候補のアブラハムがいますが、もしウォードにケスレル戦のボクシングができるのであれば、アブラハムは相当苦戦しますよ。アブラハム有利という予想もあるかもしれませんが私はそうは思いません。ウォードのワンサイドになる可能性もある。というのは、アブラハムのボクシングが苦手とするパターンがあるんです。アブラハムはゆっくりとしたスタートできて、相手が打っても、打ってもガードを崩さないと。ガードを固めて少しずつプレッシャーをかける。後半相手がスタミナを消耗したあたりでつかまえる――というやりかたをするんですね。


しかしウォードがケスレル戦のデキだと、アブラハムが最後までウォードのスピードについていけないパターンが予想されます。アブラハムは距離を中間まで詰めた時が一番強い。それまではほとんど手を出さないから、ウォードが得意とする左右ストレート、左ジャブからの右ストレートで、距離が違うんですね。すると、アブラハムは手を出さないままになる可能性もありますね。


メイウェザーは、動かなくていいところでは、脚をピタッと止めている。だから、瞬間、瞬間にパンチを乗せることができる。ウォードの場合、もう少しパンチを強く打とうとすると、動きをセーブする必要がある。その場合は相手からも狙いやすいということになるかもしれない。


特別珍しいボクシングではない。そうですね、ジャーメイン・テイラーに似たようなところがある。ウォードの方がスピードはあります。テイラーはうまい選手でしたが、ホプキンスに勝っても、なんか光らないというのがあった。このウォードも、期待されて人気があってという選手ではないかもしれませんね。


でも、テイラーがホプキンスのごまかしに乗らずに試合を進めて勝ったように、もしウォードがホプキンスと対戦すれば、どんどん手を出しますから、同じように勝つチャンスはありますね。


ボクシング・ビート2010年4月号より

※番組の選手表記と一部異なる場合がありますが「ボクシング・ビート」誌の掲載内容をそのまま掲載しておりますので、ご了承ください。

「ボクシング・ビート」連載中 世界トップ選手ウォッチ
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