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浜田剛史の世界トップ選手ウォッチ

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ボクシング専門誌「ボクシング・ビート」(毎月15日発売)で連載中の「浜田剛史の世界トップ選手ウォッチ」を掲載!
浜田さんの選手分析を読んでから実際の試合をチェックすると、ボクシングの楽しみ方がますます広がります!

デンガオセーン・カオウィチット
Denkaosan Kaovichit
(WBA世界フライ級チャンピオン)

前半強く、なぜか後半失速ぎみ 日本選手にも手が届く王者

2009年ボクシング・ビート
8月号掲載

2008年12月、広島で坂田健史を2回KOに沈め、念願のWBA世界フライ級王座獲得。坂田との初戦は引き分け。タイ出身、32歳。プロ・キャリア13年。02年、世界初挑戦でエリク・モレル11回TKO負け。その後27連勝負けなし。現王座は今年5月久高寛之相手に僅差判定勝ちで初防衛に成功。47戦20KO1敗1分。


この選手、オーソドックスの、スタイルは完全なファイターまではないですが、「ファイター・ボクサー」ですね。別な言い方をすれば。


そして、右のパンチに威力を持っています。KOも半分近くありますからね。


どういうパンチを打つかというと、ま、いろいろ打ちますが、決まったコンビネーションとかではなくて、前に前に出ながら攻める、ある意味、正面から行く選手ですね。だから、右には威力があるけれど、それを外された場合、空回りしてしまうこともあると。


タイ選手はムエタイを経験している選手が多い。スタイルはややオープンガードで、アップスタイル。そして独特のリズムがあるんです。ギャラクシーのように。ただ、この選手にはそれがない。ムエタイをやっていなかったのかもしれませんね。ムエタイ独特のスローなリズムはない。


年齢が結構いっているわけですけど、そのせいなのか、あるいは元々若い時からそうだったのか、試合後半のスタミナがないんですね。前半に強いけれど、後半失速するんです。


坂田に最初に挑戦した時も、立ち上がりは強く、1回に右を決めてダウンを奪っているにもかかわらず、後半落ちて坂田に盛り返され、引き分けましたね。でも、昨年12月の再挑戦では、2回で倒してタイトルを奪取した。この2回だけを見るとものすごく強い選手という感じがしますが、これは前半で終わったから、そう見えたんですね。


7年前の初挑戦でエリク・モレルにKO負けしています。が、これは相手がモレルだったから倒されたのであって、特にデンガオセーンが打たれもろいということではない。あの当時のモレルは強かったですからね。この試合も負けたのは11回ですから、やはり後半失速するんでしょうね。


もうひとつの特徴は、遊びのないボクシングすることです。前半から飛ばして、スタミナなくした場合でも、強い打ち方しかできない。だから、もっとバテるんですね。強い打ち方をするから、体力を使うのは確かなんですが、疲れた時のボクシングの仕方を知らない。タイでやった最新の防衛戦でも、久高寛之に判定勝ちも、2-1ですからね。


久高もあれは勝てた試合ですよ。うまく後半まで持ってきたんです。坂田に負けてもすぐチャンスがきたというのは、いいことですが、これ、20年前だったら、この試合落としたらもうチャンスがないというところで必死になる。そういう意欲でやっていたら、勝てないことはなかった。久高はどちらかというと、力を抜いたボクシングをするから、スタミナは持つ。後半までスタミナをあまり使っていなかった。疲れているデンガオセーンに対し、もっと攻めていれば、と悔やまれますね。


前半久高が、デンガオセーンが打ち気にきた出端に、上から右を決めて、チャンピオンが前のめりになって手をついたことがあったんです。スリップにとられてアンラッキーでしたが、でもそのあとはデンガオセーンもすぐ攻めましたからね、こういうところは、勝負の持っていき方がうまいですね、倒されたという印象はすぐ消えてしまいますからね。


フライ級というと、WBCチャンピオンの内藤以外にも、1位の亀田興毅をはじめ、結構世界に手が届きそうな選手もいますが、このデンガオセーンは、そういう選手たちにとっても、決して手が届かない選手ではないですね。IBFのドネアとか、WBOチャンピオンのナルバエスには、ちょっと勝てないなという気がしても、この選手だったら、勝つチャンスがある感じがしますよね。それと、戦法がファイターなので、日本選手には結構かみ合うと思いますね。


今のデンガオセーンは、強いチャンピオンとは言えないし、そんなに長くもたないという気がしますけどね。だから、フライ級の日本選手が頑張れば手の届く距離にはあるということです。


ボクシング・ビート2009年8月号より

※番組の選手表記と一部異なる場合がありますが「ボクシング・ビート」誌の掲載内容をそのまま掲載しておりますので、ご了承ください。

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