メニューを開く

番組表

ご加入はこちら

浜田剛史の
世界トップ選手ウォッチ

※My番組登録はこちらから

ボクシング専門誌「ボクシング・ビート」(毎月15日発売)で連載中の「浜田剛史の世界トップ選手ウォッチ」を掲載!
浜田さんの選手分析を読んでから実際の試合をチェックすると、ボクシングの楽しみ方がますます広がります!

タイソン・ヒューリー(英国)
TYSON LUKE FURY
WBAスーパー、IBF、WBO世界ヘビー級王者

スピードを武器にした巨人王者出現
クリチコを攻略できたのはなぜ?


2016年ボクシング・ビート
2月号掲載

去る11月28日、ドイツでウラジミール・クリチコに挑戦。11年間不敗だったチャンピオンを3-0判定で破り、WBAスーパー、IBF、WBOの3つの世界ヘビー級タイトルを一挙に手に入れた。
英国マンチェスター出身の27歳。アマ王者から2008年にプロ転向後25戦全勝18KO。206cm、111kgの巨漢。



 これまでにないタイプのボクサーですね。かつてのワルーエフ(213センチ)がそうでしたが、大型選手はとにかくスピードがネックになるものです。スピード負けしがちなのですが、この選手にはそれがない。この選手の武器はこの体の大きさとともに実はスピードなんですね。フットワークのスピード、パンチのスピードがある。対立王者のワイルダーのような派手さはないけれど、ヘビー級でこれだけ体に恵まれていて、スピードもある選手も珍しいですね。
 タイプは右のボクサーファイター型。フットワークがよく、相手が打ってきたら、バックステップで外す。リーチが長いから、それを最大限に生かしている。テクニックがある選手ですが、時にサウスポーにスイッチするのも特徴的です。
 得意とするパンチはワンツー・ストレート、右のストレート。また左のジャブをいろんな角度から打つので、相手はやりにくいでしょう。試合中に相手を馬鹿にするところもあり、相手はカリカリするでしょうね。
 先の試合では、クリチコが圧力をかけようとするけれど、ヒューリーは動きながら、ロープに詰まることもなく、打ちながら動いていた、プレッシャーに負けていない。それで、体に柔軟性があるから、耐久力もありそうです。
 パンチもないわけではない。25勝18KO。これだけの体格があるから、手打ちのところがあっても、威力はあります。そして体全体に力があると。決してワイルダーのように大振りすることもなく、荒々しさもなく、不思議なほどにきれいなアウトボクシングもみせる。アマチュアで英国のチャンピオンになったこともあり、基本のできている選手です。
 今度の王座交代はクリチコが衰えたから起こったのか、それともこの選手に元々実力があっての結果なのか。これはその両方でしょうね。試合は3-0(3~5ポイント差)でしたが、それほど大差ではない。
 ただ2人の立場の違いも試合に影響しました。クリチコは勝って当たり前、見るほうもみな勝つものと思っている。どうやって勝つか、KOするのか。ヒューリーは内容関係なく勝ったら世界チャンピオンですから、1ポイント差でも勝てばいい。クリチコ自身に焦りが出た。挑戦者に圧力をかけていて、ヒューリーにポンポンと打たれる。これがクリチコのタイミングをずらす効果があった。もうひとつ、クリチコのプレッシャーがいつもほど利かなかったこともあります。クリチコは追うものの、 ヒューリーも脚を使いながら手を出すので、パンチが当たらない、ここ最近はクリチコに好不調の波が出てきたんですね。悪い状況でもなんとか乗り切ってきたので、負ける場合はワイルダー相手かと思いながらも、それ以外の相手に負ける可能性もあるというのが、ここ最近のクリチコでもあった。
 仮に調子が悪くても一発当てればというのではなく、目いっぱい勝ちに徹しようという戦い方ですね。今回もずいぶん焦りがありました。追っていくけど当たらない、ヒューリーのパンチのほうが先に出て、これがポイントになってしまった。
 一方のヒューリーは、元々クリチコ有利といわれているわけですから、見せ場を作るというより、徹底してクリチコがやりにくい状態をつくることに重きを置いた戦い方をしましたね。正面衝突したらどちらかが倒れる可能性がありましたが、それは避ける。一か八かのギャンブルはしない。行きそうで、来ない、そして相手の届かないところから自分だけ打っているというやり方をする。そして、時たまサウスポーになったり、この際手打ちでも腕の力があるから、相手のバランスを崩したり、出ばなをくじいたりはできますね。仮にここで力を溜めたパンチを打つと、もっと豪快なKOも多くなると思います。ただ、その場合、どれだけスピードを落とさずにできるかという問題もありますね。




ボクシング・ビート2016年2月号より

※番組の選手表記と一部異なる場合がありますが「ボクシング・ビート」誌の掲載内容をそのまま掲載しておりますので、ご了承ください。

「ボクシング・ビート」連載中 世界トップ選手ウォッチ
新着記事

バックナンバー
2017を閉じる▲

バックナンバー
2016を開く▼

バックナンバー
2015を開く▼

バックナンバー
2014を開く▼

バックナンバー
2013を開く▼

バックナンバー
2012を開く▼

バックナンバー
2011を開く▼

バックナンバー
2010を開く▼

バックナンバー
2009を開く▼

RING JAPAN
日本ボクシングコミッション
TEIKEN.com
NAOPIX Fight Gallery by Naoki Fukuda
マイ番組登録をしよう!
ご加入はこちら
マイ番組登録をしよう!