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世界トップ選手ウォッチ

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ボクシング専門誌「ボクシング・ビート」(毎月15日発売)で連載中の「浜田剛史の世界トップ選手ウォッチ」を掲載!
浜田さんの選手分析を読んでから実際の試合をチェックすると、ボクシングの楽しみ方がますます広がります!

ビクトル・ポストル(ウクライナ)
VIKTOR POSTOL
WBC世界S・ライト級チャンピオン

相手を狂わせる独特のリズム
負けない戦法に徹するボクサー型


2016年ボクシング・ビート
1月号掲載

2015年10月、ルーカス・マティセに10回KO勝ちし、空位のWBC世界S・ライト級王座を獲得したばかり。ウクライナ出身、31歳。07年プロ転向し、11年WBCインター王座獲得。12年デマーカス・コーリーに判定勝ちし防衛。身長180cm、リーチ187cm。戦績28戦全勝12KO。「アイスマン」のニックネームがある。



 背が高く手が長い、ジャブがうまい右のボクサー型ですが、一番特徴的なのは、動きに独特のリズムを持っていることです。特にテンポが速いわけでもなく、どちらかといえばぎこちない動きですが、これが一定のいいリズムになっているんですね。崩しにくい一定のリズムです。
 対戦相手はこのテンポのずれに戸惑い、タイミング、自分のリズムを狂わされてしまう。世界フェザー級チャンピオンだったクリス・ジョンの最初の頃がそういうテンポを持っていましたね。
 この選手、何が得意かというと、右のリードジャブは長いですね。手が長い分懐が深いと。そして、パンチを当てるのがうまい。コツン、コツンと的確に当てる選手なんです。KOは半分もない。パンチがあるとはいえないけれど、的確に当てるから効いてくる、というのがある。数多く打たれると、みんな効いてしまうんですね。マイケル・ナン(元世界王者)がやはり強打者ではないけれど、コツンコツンと当てるうまさがあった。ああいうふうにクリーンヒットを連続されると、やはり効いてきますからね。
 元々はボクサータイプなので、離れた距離、そして相手が打ってきたら、右を打ち落とす。それでも相手が入ってくる場合、左右のアッパー連打も出る。普通はアッパー打ったら、左フックを返すとか、いろいろするわけですが、ポストルは連続のアッパーを打つという、珍しいパターンの打ち方もしますね。相手が下から潜ってきたら、アッパーを突き上げる。これが的確に当たる。
 強打者なんかがそれ以上に入ってこようとすると、すぐクリンチする。相手の突進が強いときは必ずクリンチですからね。とにかくクリンチが多い選手で、マティセーもそうでしたが、このクリンチに相手はいら立ってしまって、焦ってつかまえにいこうとすると右を打ち落とされるんですね。一方で相手が止まろうものなら必ず打ち続けますから。ある意味試合巧者といえば試合巧者、ずる賢いところもありますね。
 強い相手だとポストルは一層クリンチも多くなるので、相手は余計いら立ってくるでしょうね。クリンチも、反則取られるか取られないかのギリギリのところですから。アイスマンの異名通りに自分のボクシングを守るところがあるのでしょう。
 距離が長いところを十分に生かして、相手が入ってくると上から打ち落として、一発で止まるのではなくて、その後のパンチをポンポンと返す。大体そこで相手は入りにくいんですが、それ以上に相手が入ろうとしたら、今度はクリンチすると。それで流れが1回止まるんですね。上から覆いかぶさるから、相手は結構疲れるでしょう。
 決してこわい選手ではないんですが、今のマティセーには一番やりにくかったかもしれないですね。体から出てくるナチュラルなパワーがなくなってきていますから。いいときのマティセーはゴロフキンによく似たボクシングをした。力みはないけれど、パワーはあると。今は体から出てくるパワーが感じられなくなっていた。きつい試合を連続でやりましたからね。そういうマティセーの落ちてきたところとかち合ったというのもありますね。最後は完全なるKOではありますけど、左が目に当たってダウンした。今までのマティセーなら続けたでしょうが、諦めましたからね。マティセーがダウンした後、立つ努力をしなかったという試合でした。
 元々チャンピオンになるのは主役のはずなんですが、勝つボクシングというよりも、負けないボクシングをするから、人気面でどうかという心配はあります。アメリカで売り出すには、インパクトの強い試合をしないといけませんからね。
 ただ、今31歳、体力を使うボクシングでもないし、チャンピオンになりましたから、負けないボクシングをする選手ゆえに、結構チャンピオンのまま続く可能性もありますね。




ボクシング・ビート2016年1月号より

※番組の選手表記と一部異なる場合がありますが「ボクシング・ビート」誌の掲載内容をそのまま掲載しておりますので、ご了承ください。

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