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世界トップ選手ウォッチ

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ボクシング専門誌「ボクシング・ビート」(毎月15日発売)で連載中の「浜田剛史の世界トップ選手ウォッチ」を掲載!
浜田さんの選手分析を読んでから実際の試合をチェックすると、ボクシングの楽しみ方がますます広がります!

バドゥ・ジャック(スウェーデン)
Badou Jack
WBC世界S・ミドル級王者

教科書のようなボクシングだが
好機で攻めない慎重さに物足りなさも


2015年ボクシング・ビート
11月号掲載

今年4月にアンソニー・ディレルに判定勝ちしWBC世界S・ミドル級王座獲得。9月の初防衛戦では、1位ジョージ・グローブスに2-1判定勝ち。ストックホルム出身、31歳。185cm。2009年 プロ転向し、これまで22戦20勝12KO1敗1分。唯一の敗北は14年2月、ディレク・エドワーズに初回TKO敗。「リッパー(切り裂き人)」の異称がある。



 この選手は、教科書にするといいお手本になる、そんなボクシングをします。右のボクサーファイター、ないしボクサーの部類で基本に忠実な選手ですね。
 獲得戦が2-0、初防衛戦が2-1と際どい判定を勝っていますが、一言でいえば「大事に戦う選手」です。無理をしない、イコール、アピール度が足りないともいえます。
 得意とするパターンは、ワンツー・ストレート、これも力みなしに、シャープに、そしてスムーズに打つパンチです。力みなしにスムーズに打つから、フォーム、バランスもいい。パンチもないわけではない。ただ無理をしないから、立て続けに攻めるということはしない。
 ディフェンス面では、ガードがしっかりしている。打ち合うときでも、自分のガードを固めた上で打つので、勝負どころで倒すか倒されるかというような冒険はしない。まず自分の身を守っておいて、そこから攻撃すると。ま、安定したボクシングではありますけど、このクラスで人気を出すということになれば、爆発力、アピール度というものがもう少しほしいところでしょう。
 最新の初防衛戦は、私の予想はグローブスのほうが有利でした。試合が始まった直後でも、このまま行くと後半グローブスのKO勝ちもあるかというほどでした。しかし、スタートでグローブスが攻めに行ったところに、ダウンをとられたんですね。ジャックがいいワンツーを当て、直後に右の打ち落としのストレート、これが効いたんです。
 グローブスは1ラウンドのダウンで歯車の狂いが生じた。ただ、相手が効いているのに、ジャックはガンガン攻めるというパターンではないですから、それでグローブスは効いたまま最終回まで 行ってしまった。ダメージを残したままの攻撃だったグローブスは、どうしても振りが大きくなるし、パンチにいまひとつ体重が乗っていないところがあった。だから、あの1回のダウンがなければ、グローブスがもっと押し気味に試合を進めた可能性はあると思います。
 ジャックからすると、グローブスが打ってくるから、大事に戦うという考えがあったのでしょうが、あのグローブスが効いている時点で、総攻撃しなかったという慎重さはどうか。メイウェザーは自分が打たせなかったら勝つんだというような流れをつくった選手ですけど、同じようなところがこの選手にもある。それで本人は納得してしまっているところがあるんですね。
 タイトル獲得戦のディレルも結構攻撃型の選手でしたが、ジャックより粗い感じでした。この選手はやはり守りをしっかりして出るという戦い方をしますね。
 この選手は唯一の敗北が1ラウンドTKO負け。2度ダウンしたそうですが、打たれてどうかという不安があるんでしょうね、そういうところで慎重に、ガード、フォームをしっかりしているんでしょうね。
 これがグローブスあたりだと、常に打ちやすいフォームをしている。若干ガードを低くして、肩の力を抜き、スムーズにパンチが出るようなフォーム、その点このジャックはガードを上げて、守りをしっかり固めていますから、それはやはり打たれ強さを考えての戦法だと思いますね。
 ボクシングは安定していますし、出来上がっている。ただ、実力はあるにせよ、人気面を考えれば、今のままでいいのか。お客を引き付けるには、物足りない。やはり、チャンスの時にもっと爆発力をみせることができるかどうかですね。それは負ける可能性も高くなり、危険でもあるのですが。このクラスだと、カール・フロッチ、ジョー・カルザギと強引な戦法をとる選手が活躍しましたが、このジャックは対照的な戦法ですからね。同じ階級のアンドレ・ウォードと対戦すれば、やはりスピードで勝るウォードが一枚も二枚も上とみます。




ボクシング・ビート2015年11月号より

※番組の選手表記と一部異なる場合がありますが「ボクシング・ビート」誌の掲載内容をそのまま掲載しておりますので、ご了承ください。

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