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浜田剛史の
世界トップ選手ウォッチ

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ボクシング専門誌「ボクシング・ビート」(毎月15日発売)で連載中の「浜田剛史の世界トップ選手ウォッチ」を掲載!
浜田さんの選手分析を読んでから実際の試合をチェックすると、ボクシングの楽しみ方がますます広がります!

デオンタイ・ワイルダー(米国)
DEONTAY WILDER
WBC世界ヘビー級王者

32勝全KOの一発屋が
初の判定試合で見せた
「うまいボクシング」


2015年ボクシング・ビート
5月号掲載

1月にバーメイン・スタイバーン(ハイチ=カナダ)に3-0判定勝ちしWBC世界ヘビー級王座獲得。米国に7年ぶりにこの階級のタイトルをもたらした。2008年北京五輪ヘビー級銅メダル獲得の直後にプロ転向。32連続KOをマークし、初の判定試合が世界獲得戦だった。
アラバマ州タスカルーサ出身、29歳。



 これまで、全KO勝ちしても評価はそれほど高くなかったんですね。対戦相手が弱い、打たれたらどうなるか分からないという声もあった。実際、32勝中、1、2RKOがほとんどで、4ラウンド以上やっていなかったですからね。

 それが、タイトル獲った試合では、初めての判定で12ラウンドを戦った。その内容も、2ラウンドに奪ったダウンはスリップに取られましたが、あわてることなく、アウトボクシングした。こんなボクシングもできたのか・・・・・・これほどのうまさを持っているとは思わなかったですね。大体これほどKOで勝ち続けると、組み立てを省略して1発当てようとするのですが、左ジャブをうまく突くのにびっくりしました。

 最初は私もパンチ力だけの選手と見えたんです。先手必勝型。1ラウンドからボンボン振り回すので、空振りも多いわけです。右も左も大振りの連続で、1発でも当たれば倒れる。ただ、迫力とかパンチのスピードとかはあった。背も高いし(201センチ)、手も長いから、あの距離からボンボン振られると、相手は中に入っていけない。

 スタイバーンもガード固めて入っていくものの、そこで手が出ない。打とうとしたときに逆にワイルダーに打たれたらというおそれがあったんですね。だからガードが離せない。それを見て、ワイルダーはガードの上を打ち破ろうともすれば、空いたところを狙うこともする。さすがにチャンスとなると大振りするのはこの選手の特徴ではありますがね。

 久々にアメリカからこの国のヘビー級らしい選手が出てきたなという感じがしますね。この選手、スタイルは右のボクサーですが、ハーンズがボクサーパンチャーだったといえば、それに似たところがあるかもしれません。ボクシングはハーンズよりは粗いですが。

 デビュー戦からKOの山を築いたジョージ・フォアマンと数字は似ていますが、ボクシングは異なります。フォアマンの場合は、追い詰めるうまさがあった。相手を動かなくさせる。この選手は攻撃する迫力と、うまさの2種類持っている。左ジャブはフォアマンに似たところがありますが、フォアマンの場合はまだ威圧感がありました。この選手は、左ジャブ使い始めてアウトボクシングし出すと、うまさが出ますね。フォアマンはうまさではなくて強さです。

 ワイルダーは、あの荒々しい攻撃が本質なのか、もしくは左ジャブを使い距離をしっかりとるアウトボクシングが隠れていたボクシングなのか、どちらが本質なのかまだ分からないところがあります。両極端な話なわけですね。

 対立する3団体の王者ウラジミール・クリチコと比較するとどうか。これはいつやるかということになると思いますね。今すぐということになると、総合力はクリチコでしょう。

 ワイルダーはパンチがあるから当たれば勝つでしょうけど、安定感はクリチコがあり、誰とやっても自分のボクシングができると。

 ワイルダーはまだこれから吸収するものがあるであろうと予想されます。要するに今以上に力をつける可能性があると。その点クリチコはもう完成です。ワイルダーもこれだけの選手なので、これから喫する1敗が命取りになる可能性もある。負け知らずイコール苦戦知らず、苦労知らずのところがありますから。苦しくなった時、予期せぬことが起こった時どうなるかは、まだわからない。

 スタイバーン戦も相手がプレッシャーかけてきて、少しずつ下がりながらでも、自分がコントロールしていた試合でした。ポイントもワンサイドで、危ないところはほぼゼロ。判定試合ではあっても、自分がやりたいことをやっていた。これが予期せぬことが起こった場合にどう対応するか、それを見たいですね。




ボクシング・ビート2015年5月号より

※番組の選手表記と一部異なる場合がありますが「ボクシング・ビート」誌の掲載内容をそのまま掲載しておりますので、ご了承ください。

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