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世界トップ選手ウォッチ

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ボクシング専門誌「ボクシング・ビート」(毎月15日発売)で連載中の「浜田剛史の世界トップ選手ウォッチ」を掲載!
浜田さんの選手分析を読んでから実際の試合をチェックすると、ボクシングの楽しみ方がますます広がります!

オマール・ナルバエス(アルゼンチン)
OMAR NARVAEZ
WBO世界S・フライ級王者

パワー型から老かいで失点しない
戦法にシフトしたベテラン


2015年ボクシング・ビート
1月号掲載

井上尚弥の挑戦を受ける軽量級の名王者。五輪出場等のアマ経験の後2000年プロ転向。02年WBO世界フライ級王座を獲得し、16度防衛。10年には空位のWBO・S・フライ級王座も獲得し現在11度に伸ばしている。この間11年にはノニト・ドネアの世界バンタム級王座に挑んだが、判定負けで唯一の黒星。アルゼンチン・トレルー出身、39歳。戦績は43勝23KO1敗2分。



07年にこの欄でナルバエスを取り上げていますが、その当時と比べて、現在この選手のボクシングがどう変わったのか。衰えたのか、そうでないのか----これらをテーマに再び解説します。


当時ナルバエスは32歳のWBOフライ級チャンピオンでした。それが39歳の今は1階級上げてS・フライ級の世界チャンピオン。ホプキンスが49歳でチャンピオンだった例もありますが、軽量級で39歳、40歳でチャンピオンとしていられるという自体がすごいことですよ。


この選手が初めてタイトルを獲るあたりから見ていますが、ひとことで言えば、「パワーのあるフライ級サウスポー」でした。7年前の解説では、話題のドネアとの対戦について「ナルバエスの左ストレートか、ドネアの左フックの勝負になるだろう」とみましたが、それから4年後に実現した試合では、ナルバエスの判定負け。ナルバエスのような力で押し切る選手が計算して、老かいさ、ごまかしを入れるようになったのが、このあたりからからでしょう。そこが一番大きな違いでした。採点はほぼ一方的で、両者噛み合わず凡戦に近い内容でした。


今現在もその流れで来ているとみていいと思います。全盛期のナルバエスは体力がありましたけれど、今はなるべく使わないようにしている。省エネボクシングといっていい。手数も少なくなりました。押していくのも体力を使いますが、手数を出すというのはさらにスタミナを消耗しますからね。KOしようとすれば体力を消耗する、力のボクシングするのはエネルギー使いますから、それを極力使わないように、それでアウトポイントする。ファイタースタイルから、アウトボクサーとまではいかないにしても、ガードを高くして、打たせない、ポイントを取らせないやり方をしますね。


長く現役を続けるボクサーが、ベテランになるにつれて戦法を変えるというケースはよくありますね。力で行くだけでは厳しい、ナルバエスはパワー型で押していく選手で、以前は打ち合いになっても、ガードを低いまま打ち合うところがあったのですが、それをせず、打ち合い自体をそんなに好まなくなっています。


全盛期と比べると持続力はないはずです。瞬間、瞬間の体力はあるんですが、これを30秒間ずっと体力で押し込んで打ち勝つというような戦法は取らない。すぐ力を抜くと。それが、現在の自分のボクシングを分かった上で戦っているんですね。


試合数が減って年間2、3試合というのも、ベテランらしい、ホプキンスが年間2回ぐらい戦って、10年間続けたようなやり方になっています。1試合に集中して、打たせないにしても、試合後すぐ練習ではなくて、結構休んで練習の疲れを完全に抜いていると思いますね。


ですから、往年と比べたら衰えてはいますが、それをごまかしながらやっているというのもある。なぜそこまでできるかというと、やはり「打たせない」ということが大きな条件になりますね。


井上戦ですが、2人の一番大きな違いは、経験です。ナルバエスも落ちているのは事実ですが、自分のボクシングの現状というのを知って、試合の運び方というのは分かっているわけです。そして、いろんなタイプの選手と対戦してきていますから、井上のような相手ともやっているでしょうし、その経験はやはり大きい。


ま、実際のところ、井上が倒されるリスクもあるわけで、少し早いのではないかという思いは確かにあります。あと1年すれば、ナルバエスも40になるし、それでも今が勝負時なのかと。これ以上強くなる選手ではないわけですからね。ただ、スターになるような選手は、チャンピオンが落ちるところを狙うというよりも、評価の高いチャンピオンに果敢に挑んでいって勝ちますけれどね。井上はスピードで勝負すべきですね。強いチャンピオンでもいつかは負ける時がくるわけですから、それが今回ということもないではない。




ボクシング・ビート2015年1月号より

※番組の選手表記と一部異なる場合がありますが「ボクシング・ビート」誌の掲載内容をそのまま掲載しておりますので、ご了承ください。

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