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浜田剛史の世界トップ選手ウォッチ

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ボクシング専門誌「ボクシング・ビート」(毎月15日発売)で連載中の「浜田剛史の世界トップ選手ウォッチ」を掲載!
浜田さんの選手分析を読んでから実際の試合をチェックすると、ボクシングの楽しみ方がますます広がります!

サキオ・ビカ(豪州)
SAKIO BIKA
(WBC世界・ミドル級王者)

不器用な遅咲きファイターが
34歳で世界ベルトを獲れた理由


2013年ボクシング・ビート
12月号掲載

去る6月、マルコ・アントニオ・ペリバンとの空位の王座決定戦に2-0判定勝ちし、WBC世界S・ミドル級タイトルを獲得。34歳でこれが4度目の世界戦という「遅咲きの王者」。国籍はオーストラリアだが、生まれはアフリカ(カメルーン)。2000年からプロで戦い、04年大阪で荒木慶大を10回TKOし空位の東洋ミドル級王座獲得。06年からS・ミドルに上げて世界挑戦。バイエルと分け、カルサギ、ウォードには判定負け。32勝21KO6敗2分。


他の選手と比べても、どれかひとつでもズバ抜けたところがあるわけではない。ボクシングだけ見ていると、およそ世界チャンピオンのボクシングとは思えないですね。それでもビカが世界タイトルを手に出来たのはどうしてか。タイプは右のファイター・スタイル。タフで、不器用で、それでいて、いろんな見せ場を作るところもありますけど、技術うんぬんよりも、実戦的な選手です。基本ができているとか、お手本になるようなボクシングではない。体力イコール、パワーになりますかね。ボクシングはぎこちない、不器用な選手で、打たれることも打たれるけど、体力で押し切ってしまうという戦法です。


パンチも、32勝21KOですから、まあまあ倒す力はありますね。スピードはないものの、パワーはあります。左右両方とも似たようなパンチを打つ。いわゆる〝ドスンパンチ〟で、打ってから押すようなところがある。切れのあるパンチではない。一発一発思い切り振りながら、そして、その中でタイミングを合わせていくというやり方ですね。


対戦相手を巻き込むようなところがありますね。テンポのずれたというか、独特のリズム、そしてあの大振りなんか見ると、対戦相手はみな自分のペースを狂わされてしまうんです。決して速くないビカのペースに乗せられてしまうんですね。例えば相手のパンチが速くてよけられなかったというのがありますが、ビカの場合は、見えるけれども、よけ切れない、ビカのスピードに体が慣れてしまって、よけるのも鈍くなってしまう。だからスピードのないビカのパンチでも食ってしまうんですね。
タイトル獲得戦では、相手のペリバンをパワーで押し切ったところがありました。スピードがあるわけではないが、この選手のパワーと突進力に、相手が釣られるところがあります。振りは結構 大振りなんです。


相手にすれば、普通だったら外し切れるところも、なんとなく釣られて食ってしまうんですね。得意な乱打戦に持ち込むといううまさはあります。うまさというか、ビカにとってはそれが自然なのかもしれない。ただ相手が速い選手だと、ビカも追いつけない状態になりますね。
今後はどうかですが、このクラスは強い選手がごろごろといるので、長く防衛を重ねていくというのはずいぶんと厳しいですね。
これから変わる選手ではない。この選手なりにすでに完成されていますから。不思議なのは、年齢が行ってから、若干柔らかくなっている感じがしますね。常に力を入れていたところが、時には力を抜くところがあるようです。これが今までとは違うところですね。


対戦側からすると、結構付け入るスキはありますね。ありますけれど、この選手と構え合っているうちに、つい釣られてしまう、要するに、独特のリズム、さほどないスピード、タイミングなので、対戦相手が狂わされてしまう。だからこそ、ここまで世界的な選手なんかとも対戦していいところまで行くんですね。


実戦派の選手ですけど、技術的には落ちますよね。本来世界チャンピオンになるようなボクシングではないんです。それがチャンピオンまでなれたのは、体力とタフネス、そして相手からすると、この選手のやりにくさでしょうね。


ただし、この階級はこれぐらいの体力の選手はざらにいますからね、カール・フロッチにしろ、アンドレ・ウォードにしろ。このウォードには挑戦して負けていますが、このクラスは強い選手が何人もいますから、彼らとは比べたら落ちますね。このクラスですと、スピード、パワー、テクニックと全部あるのが普通ですけど、ビカはスピードのある選手には空回りして遊ばれる可能性もありますね。



ボクシング・ビート2013年12月号より

※番組の選手表記と一部異なる場合がありますが「ボクシング・ビート」誌の掲載内容をそのまま掲載しておりますので、ご了承ください。

「ボクシング・ビート」連載中 世界トップ選手ウォッチ
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