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浜田剛史の世界トップ選手ウォッチ

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ボクシング専門誌「ボクシング・ビート」(毎月15日発売)で連載中の「浜田剛史の世界トップ選手ウォッチ」を掲載!
浜田さんの選手分析を読んでから実際の試合をチェックすると、ボクシングの楽しみ方がますます広がります!

ピーター・クィリン
PETER QUILLIN
(WBO世界ミドル級王者)

得意の右で真っ向勝負する
天性のパワーヒッター


2013年ボクシング・ビート
7月号掲載

昨年10月地元ニューヨークでハッサン・ヌジカム(フランス)に3-0判定勝ちし世界ミドル級王座獲得。今年4月の初防衛戦ではフェルナンド・ゲレロを4度倒して7回TKO勝ち。米国シカゴ出身の29歳。8戦のアマ歴の後95年プロ入り(4回戦で初回TKO勝ち)。これまで29戦全勝21KO。


記録では1RKOが9度、2RKOが6度ありますが、まさに、「なるほど」という選手ですね。前進して力でねじ伏せにいくという、力で正面突破のボクシング。パンチは左右とも強いのですが、特に右狙いが目立ちます。左ジャブを打っておいて、相手が来たら右、相手が下がったら右。またこの右も、ストレート、アッパー、フックと全部力まかせに振る。では右一本かというとそうではなく、返しの左フックも強い。


タイプは攻撃型で、アップスタイルで攻めていくので、右のファイターボクサーですね。駆け引きなしの、分かりやすいボクシングで仮に空振りしても、お客さんはKOするのではないかと期待を持つ選手ですね。


クィリンのこの力、パワーはもって生まれたものですね。親がキューバ出身で、自らもキッド・チョコレート(往年のキューバの名王者)と名乗っていて自らのルーツにこだわりがあるようですが、ボクシング自体には最近のキューバ選手との共通性は感じられないですね、むしろアメリカの黒人選手らしいボクシングをします。


体力があって、押す力もある。それで、フットワークは、大体が前に前にと行く足の使い方。相手が打ってきた時にパッとバックステップすることがありますが、そこでまた右を打つ。体は硬そうで不器用に見えますが、相手が低く入ってきたらアッパーを突き上げるとか、相手が下がれば長い右ストレートを打つとか、長短その時に必要なパンチを打つのがいいところです。


捨てパンチを打たずに、最初から強いパンチを打ち込んで試合を終わらそうとする。これはダウンを取った後も同じ戦法ですね。相手が効いていて、軽いパンチでも倒れそうな状態でも、効いていればなおさら一発を狙おうとする。ミドル級らしいといえばそうかもしれませんね。


初防衛戦でも2回に2度ゲレロを倒して、7回までいってまた2度倒した。最初のダウンで相手は大の字ですし、2度目は効いているから何打たれても倒れるというような感じです。それで3回、相手は一生懸命動くわけです。クィリンは一発狙いするから、狙っている間にゴングが鳴ったということですね。そして、唐突に7回にまた2度倒した。一発当たれば倒すんだという自信があるのですね。


ではディフェンスはどうか。ブロックしてまた右を打つと。仮に打たれても、打たれることをなんとも思わないで打つ選手。ディフェンスをしないわけではないけれど、打たれ強い選手です。最近の試合では、相手のパンチも速く、打ちにいっているから食ってしまうところもありますが、いつも打たせる選手ではない。一生懸命よけるということはせず、常に攻撃している状態でよけようとするんですね。


この選手と真っ向勝負して勝てる選手がどこにいるかという気もしますが、ミドル級はゴロフキン、マルティネス、ゲールと、強い王者が君臨しています。クィリンと比べると、ボクシングの幅はやはりゴロフキン、マルティネスのほうがありますが、ゴロフキンでもこの選手と対戦したら、前に出るのが大変だと思いますよ。ゴロフキンが3発打てば、この選手は2発というように、リング中央での打ち合うパターンが多いかもしれません。いや、むしろクィリンにとってはいい時のマルティネスのほうがやりにくいと思います。力でいきますから、マルティネスに外されて左ストレートのカウンターを浴びることも予想されます。


実際のところ完成されつつある選手ですが、これからどれだけお客さんを引き付けるかですね。


いま29歳ですから、まだまだ活躍できる。ミドル級はこうした強力なチャンピオンによるつぶし合いになる可能性もあります。こういうところに割って入ろうとするのは大変です。



ボクシング・ビート2013年7月号より

※番組の選手表記と一部異なる場合がありますが「ボクシング・ビート」誌の掲載内容をそのまま掲載しておりますので、ご了承ください。

「ボクシング・ビート」連載中 世界トップ選手ウォッチ
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