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浜田剛史の世界トップ選手ウォッチ

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ボクシング専門誌「ボクシング・ビート」(毎月15日発売)で連載中の「浜田剛史の世界トップ選手ウォッチ」を掲載!
浜田さんの選手分析を読んでから実際の試合をチェックすると、ボクシングの楽しみ方がますます広がります!

オースティン・トラウト
AUSTIN TROUT
(WBA世界S・ウェルター級王者)

速い足とジャブでコットを攻略
マイケル・ナン似の左の技巧派


2013年ボクシング・ビート
3月号掲載

2011年、アウェイのメキシコでリゴベルト・アルバレス(カネロの兄)に3-0判定勝ちしてWBA世界S・ウェルター級王座を獲得。以後4度の王座防衛に成功。最新の防衛戦では、著名なミゲル・コットに文句なしの判定勝ちを飾っている。米ニューメキシコ州出身、27歳。アマチュアの全米王者から05年プロ転向し、これまで26戦全勝の負け知らず(14KO)。


サウスポーの懐が深いボクサータイプ、それで、ジャブが速くて長い、これが一番いいところですね。昔の選手ですが、マイケル・ナン(元世界ミドル&S・ミドル級王者)に近いような、アップライト・スタイルです。ナンよりは少し下がる足が速い、攻撃力はナンの方が上です。
そして決して振り回すのではなく、相手のガードの空いたところをコツンコツンと打つ選手です。これが以前と違って今では結構ポイントになります。


下がりながらでもジャブを出し、横に動きながらワンツー、ストレートも出る。これが主武器というパンチはない、それでもKOは確かに少ないのですが、パンチがないわけではない。最近の世界戦の相手が強くなってきていることは言えるでしょうね。打ち込んでのパンチというよりも、相手のスキを狙って打つパンチがほとんどです。速くて、的確なパンチを打ちます。


ミゲル・コットに勝ったのは金星だと思いますけど、ずいぶんポイント差も離れましたね。コットにすると、特に衰えていたというよりは、このトラウトのような選手は苦手のタイプなんです。コットはガードを固めて相手に打たせておいて、自分の射程距離で打つ、引き付けておいて打つのですが、トラウトは足が速く、体の動きが速い、そしてジャブがよく出る。コットは距離を詰めようにも相手の足が速くて詰まらなかった。それでいて、手は出る、ガードの上をポンポン打ちながら、足は止まらない。


コットはなかなか自分の射程距離にならないから、イライラしながら戦っていた。トラウトは勝ちに行くボクシングではなく、負けないボクシングです。相手からは崩しにくいスタイルであると。相手の土俵では決して戦わず、常に自分の距離を保ちながら試合を運ぶところがある。ピンチを作らないボクシングです。


それで、右のジャブがいいと言いましたが、コットはガードが固いものの、トラウトが打つ下からのアッパーというのは、隙間から入るんですね、コットのガードというのは、がっちりと腕を立てて、横のパンチには結構強いところがあります。状況によっては真ん中をもっと締めますけど、トラウトはその真ん中、真ん中をアッパーで打って、そして横から大きく回すパンチと。一発でKOするということではないのですが、これも隙間、隙間に入れることがうまいんです。コットが一番やりにくいパターンで戦いましたからね。むしろしっかり打ち合ってくれるなら、コットもかみ合うんですが、距離が自分の距離ではないところから相手の手が出てくる、距離を詰めようにも相手の足が速いという状態でしたからね。


結局コットは空回りしてしまい、顔を傷つけるほど打たれて失点していた。ブロックはしていても、その隙間からトラウトのパンチが入るという展開になりました。相手に不完全燃焼を起こさせるのが、この選手のボクシングの特徴です。
トラウトは自分のボクシングを完全に作り上げていて、それ自体は安定している。お客さんの声援に応えて打ち合うとかは関係ない、常に自分のペースで戦っているので、スタミナ面の不安もあまり気にしなくていいでしょう。


あとは、今のボクシングをどこまで維持できるかでしょうね。スピードが落ちたら、下降線をたどる時です。メイウェザーやリゴベルトの弟サウル・アルバレスには勝てないでしょうが、それでも、どの選手が対戦しても、このトラウトをKOするのはむずかしいでしょうね。



ボクシング・ビート2013年3月号より

※番組の選手表記と一部異なる場合がありますが「ボクシング・ビート」誌の掲載内容をそのまま掲載しておりますので、ご了承ください。

「ボクシング・ビート」連載中 世界トップ選手ウォッチ
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