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浜田剛史の世界トップ選手ウォッチ

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ボクシング専門誌「ボクシング・ビート」(毎月15日発売)で連載中の「浜田剛史の世界トップ選手ウォッチ」を掲載!
浜田さんの選手分析を読んでから実際の試合をチェックすると、ボクシングの楽しみ方がますます広がります!

ルーカス・マティセー
LUCAS MATTHYSSE
(WBC世界S・ライト級暫定王者)

その時々でスムーズに必要な
パンチを放つ「柔らかファイター」


2012年ボクシング・ビート
12月号掲載

ルーカス・マティセー

去る9月、アジョセ・オルセガン(ナイジェリア)を10回TKOに破りWBC世界S・ライト級暫定王座を獲得。2004年に4回戦デビュー。10年ザブ・ジュダー(米)に1-2判定負けで初黒星。11年1月、デマーカス・コーリーに勝ちWBOインター王座獲得。12年6月ウンベルト・ソトに5回棄権TKO勝ちで空位のWBC米大陸王座獲得。アルゼンチン出身の30歳。身長169センチ。32勝30KO2敗1NC。


マティセーは右のファイタータイプです。前半のKO勝ちがほとんどですが、これもファイターによくあるパターンですね。


暫定王座を獲得したオルセガン戦は連打で弱らせていって、ボディーを効かせたのが大きかったですね。相手も全勝で、終盤の10回にKOするまで壮絶な打ち合いでした。アフリカ選手はバネがあって大振りする選手が多いので、マティセーもそれに釣られて打ちつ打たれつの激戦になった。マティセーが少しずつ弱っていったのに対し、相手は失速しても1分間休憩すると次のラウンドは元気が戻ってきて、またラウンド後半になると失速する の繰り返し。「我慢比べ」のような試合でした。マティセーも圧倒的な内容で勝ったのではなく、苦しんで勝った試合です。


この選手、32勝30KOというKO率から、同国人のマルコス・マイダーナ(前WBA王者)のようなボクシングを想像するかもしれません。同じアルゼンチンでクラスも近く、ある意味ライバルにもなりますが、といって同じファイターではあっても、スタイルは全然違います。両方とも実戦派ですが、マイダーナは完全なファイターで、カタくてパンチを思い切り振るの対し、この選手は"柔らかファイター"と言いますか、無駄な力を入れないでスムーズにパンチを打つ。一発当たると連打もできる。器用な選手で、ボクシングの幅はマイダーナよりはこの選手のほうがありますね。


力いっぱいのパンチを体重乗せて全部打つというのではない。力みなしに右を打ったら左を返す、左を打ったら右を返すというようにスムーズに打つ。自然体のパンチ、力みはないけれども、威力はありますね。8月号で取り上げたゲナディ・ゴロフキン(WBA世界ミドル級王者)に似たところがあります。


タフな選手ですよ。時に食うところもありますが、それでも体が柔らかくて、スムーズに力を逃しながら、打って相手の攻撃を止める。自然体のパンチを打つ点はゴロフキンと共通しています。
決まったコンビネーションではなく、その時その時に必要なパンチを打つ。相手のガードが開いたところに、その時必要な角度からのパンチを打つ。ガードの横から打つ、横はブロックが堅かったら、まっすぐに変える、真ん中からアッパーを突き上げるという戦い方ですね。


顔を見なければ、メキシカンタイプにも似たところがある。ただ、メキシカン特有の角度を決めて打つボディーブローをそんなに打つわけではなくて、その時に必要なパンチを必要な角度から打つと。


ディフェンスはブロッキング主体です。このブロッキングも柔らかく、ブロックしながら打ち合う。
スウェーバックも若干入れながら、チャベスもそうでしたが、黒人選手のように体の柔軟性でよけるということではない。手数も多いですね。打ち終わりのないような状態でスムーズにパンチを返す。そうやって打ち合って勝ってきた選手であると。ゴロフキンもまさにそういうタイプで、この2人は本当によく似ています。


マティセーはたたき上げの選手で、どの試合も一方的に勝ってきたのではない。負けた2試合もジュダーとアレキサンダーのチャンピオン経験者ですし、いずれもダウンとって僅差の判定負けですからね。こういう強豪相手に修羅場を潜っているのも強みです。


今後の話になると、好戦的・攻撃的な選手で、これだけ目一杯打ち合うので、きついとは思いますね。これから伸びるかというと、ボクシングが変わるということはないでしょう。試合を勝ちながら強くなってきた選手なので、伸びるかというよりも、戦うチャンピオンになれるかどうかですね。
暫定王者ですから、この階級の正規王者ダニー・ガルシアと当然やるべきですが、現時点で2人を比べれば、どちらが勝っても紙一重の差ですね。



ボクシング・ビート2012年12月号より

※番組の選手表記と一部異なる場合がありますが「ボクシング・ビート」誌の掲載内容をそのまま掲載しておりますので、ご了承ください。

「ボクシング・ビート」連載中 世界トップ選手ウォッチ
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