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浜田剛史の世界トップ選手ウォッチ

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ボクシング専門誌「ボクシング・ビート」(毎月15日発売)で連載中の「浜田剛史の世界トップ選手ウォッチ」を掲載!
浜田さんの選手分析を読んでから実際の試合をチェックすると、ボクシングの楽しみ方がますます広がります!

アンセルモ・モレノ
ANSELMO MORENO
(WBA世界バンタム級スーパー王者)

冴えるかわしのボクシング
デラモラも歯が立たなかった


2012年ボクシング・ビート
7月号掲載

2007年ウラジミール・シドレンコ(池原信遂に判定勝ち)を判定に破りWBA世界バンタム級王座獲得。ロリー松下ら7人の挑戦を撃退後の昨年6月、ロレンソ・パーラに判定勝ちしスーパー王者に昇格。最新の今年4月の試合ではデビッド・デラモラ(亀田興毅に判定負け)に9回TKO勝ちでスーパー王者2度目(通算10度目)の防衛。パナマ・エルマルティロ出身、26歳。チェミート(幽霊)の異名がある。33勝12KO1敗1分


ひと言でいえば、長身(169cm)を活かしたサウスポーのテクニシャンです。パナマ出身特有のからだ全体バネがあって、柔らかい動きをします。地元では「幽霊」と言われているそうですが、相手が打ったところにいないところからでしょう。ひらり、ひらりとかわすボクシングは、どちらかといえば、同じパナマのイラリオ・サパタ(元世界J・フライ、フライ級王者)を少し正攻法にしたようなところがあります。


といって、ただ下がるだけではなく、闘牛士のように相手が突っ込んできたら、いなす。そしてサウスポーから右フックを引っかけて、左を打つというやり方をします。打たせないボクシングですね。強いというよりも、うまさの選手、パンチをタイミングよく的確に当てる技術を持っている。自分から好んでドンドン攻めていくというよりも、相手が打った後に打つとか、相手の攻撃をいなしながらポイントを稼ぐという戦法。一発強打の選手ではない。


最新の試合は、日本にもきたデラモラですが、この試合のモレノは、完全に足を止め、最初からKO狙いにいっていた。この選手にしては珍しいやり方です。デラモラを格下扱いしていて、いなす必要もなく、ドンドン相手の攻撃を受け止めて、かつ相手を弾き飛ばすというやり方でした。相手のパンチも効かないということで、足のスタンスを広くとりKO狙いでいった。最後は試合放棄でしたが、それまで2回と6回にダウンを奪い体力で圧倒しました。


相手はファイタースタイルであっても、体力ははるかにチャンピオンに劣るので、押されっぱなし。力で倒されたという内容ですね。モレノも普段はこういうボクシングする選手じゃないんですがね。ダルチニアン戦では、突進してくる相手に対し、下がるのではなくて、いなして、当てるという本来得意とする戦法をとっていた。今までダルチニアンだと、パワーで相手を圧倒していましたが、そのパワーがモレノには通用しなかった。モレノも押されながらかわしたのではなくて、真正面からで打ち合えるのだけれども、打たさないで試合を進めるために、サイドに回ってパンチを当てると。ダルチニアンの突進をなんとも思わないところがありましたね。特にサウスポーに対する苦手意識も見られなかった。連打の出る選手ですが、その連打も、鈍い連打ではなくて、緩急をつけた連打をする。


ダルチニアンも空回りが多かった。打ったら、モレノはそこにいない。それが幽霊のようだというのでしょうね。対戦相手はみな一生懸命戦いたいけれど、させてくれない。そのままなんとなく終わってしまう感じを受ける、そんなつかみところがないボクシングが特徴です。


この選手の一番の才能は、やはり外すディフェンスでしょう。これがあるから、相手はみな試合をした気がしない。それでいて、体力があるほうなので、相手からすると、よけるだけでパンチがないなら平気で打っていくんですが、外して打つテクニックもあるし体力でも負けないところがあるので、強引には行けない。怖さというのはあまり感じられないけれど、技術勝負するとこの選手は力を発揮する。現時点では衰えは感じられず、今が一番か、調子に乗っていますね。同じ階級の山中慎介がもし対戦してモレノを負かそうとしたら、どういうことをしなければならないか。もちろん、山中は自分の武器である左をどうやって当てるかということでしょうね。そして最初の一発というのは、まずこの選手は勘がいいので、なかなか当たりににくい。その左を当てるための捨てパンチをどうするかが大事になってきますね。全部打ち込むパンチとなると、やはり読まれますからね。ワザ(モレノ)と力(山中)の対決になるでしょうね。



ボクシング・ビート2012年7月号より

※番組の選手表記と一部異なる場合がありますが「ボクシング・ビート」誌の掲載内容をそのまま掲載しておりますので、ご了承ください。

「ボクシング・ビート」連載中 世界トップ選手ウォッチ
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