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浜田剛史の世界トップ選手ウォッチ

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ボクシング専門誌「ボクシング・ビート」(毎月15日発売)で連載中の「浜田剛史の世界トップ選手ウォッチ」を掲載!
浜田さんの選手分析を読んでから実際の試合をチェックすると、ボクシングの楽しみ方がますます広がります!

ビクトル・オルティス
VICTOR ORTIZ
(WBC世界ウェルター級チャンピオン)

大物ベルトを食ったサウスポー
得意は踏み込み鋭いワンツー


2011年ボクシング・ビート
9月号掲載

今年4月にアンドレ・ベルトに挑戦し、ダウン応酬の末判定勝ちする殊勲でWBC世界ウェルター級王座獲得。09年のWBA・S・ライト級暫定王座決定戦では、マルコス・マイダーナとこれも倒し合った末KO負けしていた。アマのトップ選手からデラホーヤのゴールデンボーイ・プロモーションと契約し04年にプロ転向。8戦目に失格負け、07年の初回負傷引き分け以外は全勝だった。33戦29勝22KO2敗1分。24歳。


オルティスは、サウスポーのボクサーファイターですね。どちかというと攻撃型。マイダーナ戦以降は、アウトボクシングに変えかけたところもありましたね。


この選手の一番得意とするところは、サウスポースタイルから踏み込んでのワンツーストレート。これはパッキアオの武器でもあるんですが、パッキアオほどの迫力、強引さはない。それでも、モーションなしで踏み込んで、サッと左が伸びてくると、相手はこれをみんな食ってしまう。


マイダーナにもこのパンチは当たって倒し倒されの試合になるわけですが、結局はKO負けした。当時のオルティスは、パンチもあるし、いいものを持っていたけれど、マイダーナはパンチも体力もあって、世界のトップクラスに最短距離でいた。ドンドン上り坂のオルティスの勢いからいって、すぐにも抜くだろうと思ったんでしょうが、1年早かったと思いましたね。あの勢いを続けて1年後にやっていれば、マイダーナとも差がついていたであろうに、勝負を急ぎすぎたと。


当時のオルティスはまだ柔らかかった。この柔らかいというのは、いい意味もあるけれど、体がまだ出来上がっていないということです。ダウン取ったのも、柔らかい動きからスムーズなパンチで、効いていたんですね。ただマイダーナは効いたけれど回復してきて、また強いパンチを打てた、オルティスはダウンを取られたら自信をなくしてしまったところがうかがえました。その違いが勝負を分けたんですね。


マイダーナ戦以降のオルティスというのは、前よりずいぶんと慎重になりました。これは大事なことなんですけどね、また慎重な状況でも、打たれるところもあって、あ、このまま止まってしまうのかと危なかしさがあった。今までの勝っていた時の状況と違って、自信がまだ戻っていなかったというのもありますね。


そして1階級上げてウェルター級で挑戦したベルト戦では、ダウン応酬の末に判定勝ち。これは金星と言っていいでしょう。マイダーナ戦後勝ち続けて自信を取り戻していたのと、もうひとつはベルトの側にも原因があります。はっきり言えば、なめていたところがあった。それで、スタートにオルティスにいいパンチを食ってダウンし、このダメージをずっと引きずった。スピードで連打するけれども、手と足のバランスが悪い。ダメージが抜けないので、腰に力が入らなくて、パンチに力が乗らない。盛り返しかけても、普通なら効かないであろうというパンチでも打たれると効いてしまうところがあった。ベルトはスピードとパンチ力は抜群のものがありますけど、これに比例するほど打たれ強くはない。


オルティスにしてみれば、マイダーナ戦と違って、自分が不利だということも頭にあったでしょう。その上で強い者に挑戦しようという意欲が感じられました。2人の立場の違いも大きかった。オルティスはダウン取られた後でも普通に戦えたというのが勝因です。確かに効いてはいたんです。でも、あわてることなく、あるいはこれも想定内だったかもしれません。マイダーナ戦で苦しい思いをしたことが今度の試合で生きたと。


ただ、オルティスも次がメイウェザーですから、これは厳しいですね。メイウェザーはすいぶんと試合をしていないものの、頭で戦う選手ですから、頭で計算したことをできる状態でくると思いますね。ベルトはメイウェザーを攻撃型に変えたようなところがありますが、まだボクシングが正直で、その点メイウェザーは狡さもある。常にKOできる状況でもセーブをしながら戦うところがある。極端に落ちていなければ、まず勝敗は動かない、オルティスには不利です。


メイウェザー側からみると、サウスポーのオルティスは、近く実現するであろうパッキアオ戦の予行演習のつもりだと思いますね。メイウェザーに勝つためには、ハットンがやったように、間を開けず距離を詰めて攻め続けるのも一つの手ですね。


ボクシング・ビート2011年9月号より

※番組の選手表記と一部異なる場合がありますが「ボクシング・ビート」誌の掲載内容をそのまま掲載しておりますので、ご了承ください。

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