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浜田剛史の世界トップ選手ウォッチ

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ボクシング専門誌「ボクシング・ビート」(毎月15日発売)で連載中の「浜田剛史の世界トップ選手ウォッチ」を掲載!
浜田さんの選手分析を読んでから実際の試合をチェックすると、ボクシングの楽しみ方がますます広がります!

トマス・ロハス
TOMAS ROJAS
(WBC世界S・フライ級チャンピオン)

河野、名城を制したがスキはあるコンパクトに打つ左のボクサー型

2011年ボクシング・ビート
8月号掲載

2009年の世界初挑戦ではWBC王者ダルチニヤンにKO負けしたが、10年9月日本で河野公平との決定戦に3-0判定勝ちしWBC王座獲得。今年2月の初防衛戦で名城信男を3-0判定で下し、これまでに計2度防衛。メキシコ・ベラクルス出身、31歳。36勝24KO12敗1分。身長173cm。


ずいぶんとキャリアがありますが、50戦して12回も負けているというのも珍しい。中・重量級には負けの多い選手が強くなって――というケースもありますが、軽量級でこれほど負けている世界チャンピオンも珍しいのではないですか。


それでも、12敗の相手を見ると、強豪が多いですね。ダルチニヤン(2回KO)は仕方ないでしょう。他に、ロセンド・アルバレス、クリスチャン・ミハレス、ジェリー・ペニャロサ、アンセルモ・モレノ、ホルヘ・アルセといったチャンピオン経験者に負けています。こういった強豪に負けながら勉強して這い上がって強くなった、たたき上げの選手ですね。


メキシコのボクサーには両極端あって、フリオ・チャベスのように打ち合って勝ち抜く選手と、ミゲル・カントのようにうまさで勝負する選手もいる。この選手は後者のタイプです。


長身のサウスポー。アウトボクサーといっていいでしょうね。距離はとりながらも、攻撃型のボクサーです。パンチは大振りせず、シャープです。相手が入ってくるところを、右フックで引っかけながら、自分は右に回ると。右フックも、左フックも打つ。ショートアッパーも結構打ちますね。そして相手が低く潜ってきたら、左アッパーをアゴに突き上げる。サウスポーがアッパーを顔面に打つというのは危険が伴い、カンがよくなければ打てないんです。


強打者ということでもないのですが、コツン、コツンと打つパンチが正確に急所、急所に当たるから、KO率も高い。パンチをコンパクトに入れるうまさを持っています。相手にはやりにくいですね。


メキシカンらしいと思うのは、打たれた時、中に入られてしまった時に、打ち返しながら態勢を作るところ。アウトボクサーでも守りながらではなく、打ち返しながらピンチを切り抜けようとするところです。


日本にも2回きていて、河野、名城に判定勝ち。採点は結構離れていたんじゃないですかね。ポイントを取るのはうまいから、KOを狙うというよりも、ポイント狙いで行って、最終的にKOしているという場合が多いですね。河野戦では最終回にダウンを喫して、結構効いていました。打たれてタフということはないですね。ダウンもするし、ま、ダルチニヤンにはパワー負けも仕方ない。


たたき上げでここまできて31歳、今が一番強い時でもあるでしょう。といって、強いけれども、安定しているかというと、決して相手にとりつけ入るスキがないという選手ではない。崩せないということではない。


ま、うまい選手と戦う時は、この選手にとってはやりやすいんです。どちらかというと、ロハスを崩すのはファイターというのも一つの戦法ですね、リング中央でボクシングするとこの選手のうまさが引き立ってしまう。少々打たれても我慢して入っていける選手だと、いやがるところがありますね。河野や名城などねちっこいファイターは、もう少しスピードがあればよかった。


相手に入りこまれた場合、一生懸命打ってサイドに回ろうとする。もちろん、懐に入れたくないというのがありますね。そこで、パワーで行ける選手とか、スタミナがあってしぶとい選手なんかにかかると、一発パンチがあるということではないですから、その時はチャンピオン交代も考えられますね。


最近のモンテスも若くいい挑戦者でしたけど、スタートでいいパンチを食ったんで、急にペースダウンした。キャリアの差です。ロハスはスタートで出鼻を挫いて相手を自信喪失させたところがありました。


 

これからどうなるかというと、ある程度の選手には勝っていけるけれども、しぶとい選手、パンチのある選手にかかったら、判定負け、KO負けする可能性は常にありますね。だから、この選手、今後長くチャンピオンでいられるかはなんとも言えない。誰とやるかによりますね。WBCのチャンピオンということは日本選手でも挑戦できる位置にいますから、決して届かない選手ではない。


 

ボクシング・ビート2011年8月号より

※番組の選手表記と一部異なる場合がありますが「ボクシング・ビート」誌の掲載内容をそのまま掲載しておりますので、ご了承ください。

「ボクシング・ビート」連載中 世界トップ選手ウォッチ
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