指名挑戦者相手に真価問われる王者
オッズは4対3でエストラーダ有利

  • 2018/03/26

 2017年のリングを湧かせた軽量級の主役、シーサケット・ソールンビサイ(31=タイ)が、元WBA、WBO世界フライ級王者、ファン・フランシスコ・エストラーダ(27=メキシコ)を相手にWBC世界スーパー・フライ級王座の2度目の防衛戦に臨む。シーサケットがサウスポー、エストラーダが右構えという違いはあるが、ともに高い戦力を備えているだけに白熱した攻防がみられそうだ。
 シーサケットはデビュー戦でのちの世界3階級制覇王者、八重樫東(大橋)に3回TKO負け、その後も5戦目までは1勝3敗1分と振るわなかったが、以後の44戦は43勝(39KO)1敗と見違えたような戦績を残している。このなかには佐藤洋太(協栄)を8回TKOで下してWBC世界スーパー・フライ級王座を奪った試合や、昨年3月に12対1のオッズをひっくり返してローマン・ゴンサレス(ニカラグア)を破った試合、そして再戦でゴンサレスを4回KOで退けた試合などが含まれている。唯一の敗北は14年5月、カルロス・クアドラス(メキシコ)に8回負傷判定で敗れ、世界王座を失ったときのものだ。以来、ここまで17連勝(15KO)の快進撃を続けている。
 ゴンサレスとの連戦で分かるように、シーサケットはサウスポーのファイター型で、踏み込んで打つ左ストレートや返しの右フックには一発で仕留める破壊力がある。ゴンサレスとの再戦でみせたように右をカウンターで合わせるスキルも持っている。スタミナに若干の不安はあるが、ゴンサレスとの初戦では競った状態で12回をフルに戦いきっており、大きな自信になっているものと思われる。キャリア初期に日本で3戦したほかメキシコ(クアドラス戦)、アメリカ(ゴンサレスとの2戦)のリングも経験しており、半敵地となるアメリカ西海岸での今回の試合も大きな精神的な負担にはならないだろう。49戦44勝(40KO)4敗1分。
 エストラーダは9歳でボクシングを始め、アマチュアで98戦(94勝4敗)したあと18歳でプロデビューした。以来、10年間に38戦して36勝(25KO)2敗というレコードを残している。ふたつの黒星はファン・カルロス・サンチェス(メキシコ)、ゴンサレスに敗れたもので、いずれも判定まで粘っている。13年4月にブライアン・ビロリア(アメリカ)に12回判定勝ちを収めてWBA(スーパー)、WBO世界フライ級王座を獲得し、16年9月に王座を返上するまで5度防衛した。ビッグマッチを求めてスーパー・フライ級に転向してからも3連勝(1KO)と好調を維持している。昨年9月には元王者のカルロス・クアドラス(メキシコ)に競り勝って今回の挑戦権を獲得している。エストラーダにはシーサケットほどの攻撃力はないが、その分、攻防ともに高い次元でバランスよく戦力が備わっており、欠点らしいものは見当たらない。スタミナ面では王者を凌駕するものがある。
 オッズは最初こそ6対5でシーサケット有利と出ていたが、試合が近づくにつれエストラーダ株が上昇して5対4に逆転。さらに4対3に差が広がった。数多くのトップ選手たちを下しているエストラーダに対し、ゴンサレスには連勝しているもののクアドラスに負傷判定負けを喫している点がシーサケットの信用度を落としているといえる。そういった意味では王者の真価が問われる試合といえよう。
 シーサケットが積極的に攻め、エストラーダが迎撃するパターンが予想される。シーサケットが繰り出すパンチのタイミングや軌道が掴めずに挑戦者が戸惑うようだと、王者が一気に攻め落としてしまう可能性もある。その一方でシーサケットが攻め急ぐようだとエストラーダのカウンターが命中、衝撃の王者交代という可能性もある。いずれにしても序盤から目の離せない緊迫した試合になりそうだ。

Written by ボクシングライター原功

スーパー・フライ級トップ戦線の現状

WBA   :カリド・ヤファイ(イギリス)
WBC   :シーサケット・ソールンビサイ(タイ)
IBF   :ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)
WBO   :空位

 この階級の主役のひとりだった井上尚弥(24=大橋)がWBO王座を返上してバンタム級に転向したため、現時点ではWBC王者のシーサケット・ソールンビサイ(31=タイ)とIBF王者のジェルウィン・アンカハス(26=フィリピン)、そして現在は無冠のファン・フランシスコ・エストラーダ(27=メキシコ)の3人がトップ並走といっていいだろう。シーサケットは昨年のローマン・ゴンサレス(30=ニカラグア)との連戦でアメリカ進出を果たしており、今回のエストラーダ戦が3度目となる。トップランク社とプロモート契約を交わしたアンカハスも今年2月にアメリカのリングに上がっている。アジアの軽量級トップ選手がアメリカを席捲しつつあるといえる。
 WBA王者のカリド・ヤファイ(28=イギリス)は日本人挑戦者を相手に2度の防衛を果たしているが、前出の選手たちと比べるとアピール度は落ちる。  あとはゴンサレスの再起が待たれるところだが、そのほかレックス・ツォー(30=香港)、IBF1位のジョナス・スルタン(26=フィリピン)、元バンタム級王者のラウシー・ウォーレン(31=アメリカ)らが控えている。

世界戦16度のニエテス、17度経験のレベコ
35歳対34歳のベテラン対決

 ミニマム級、ライト・フライ級、そしてフライ級の3階級を制覇したキャリア15年のドニー・ニエテス(35=フィリピン)と、ライト・フライ級とフライ級で戴冠実績を持つプロ14年選手のファン・カルロス・レベコ(34=アルゼンチン)。ベテラン同士の興味深いカードだ。オッズは4対1でニエテス有利と出ている。
 ニエテスは相手が出て来ないとみると自分から攻め落としにかかり、相手が攻めて来てリスクが高いと察した場合はアウトボクシングもできる。以前のような凄みは目減りしたが、その分、狡猾でテクニカルになったといえる。年齢に合わせたボクシングを身につけたといっていいだろう。
 対するレベコはライト・フライ級で2度の戴冠を果たし、フライ級では井岡一翔(井岡)に敗れるまで8度の防衛を記録したが、再戦でボディを攻められて11回TKO負け。これが現在の評価に繋がっているといえる。テンポの速いボクシングは健在だが、持続性や耐久性といった面で限界をみせているのも事実だ。
 ともに高い経験値を持っているが、現有戦力を比較するとニエテスが確実に上回っている。正確な左ジャブでコントロールし、機をみて右でダメージを与えていく可能性が高い。レベコは井岡戦でボディに弱点を抱えていることが知られているだけに、苦しい戦いを強いられそうだ。16度の世界戦(15勝6KO1分)を含むニエテスの戦績は45戦40勝(22KO)1敗4分。17度の世界戦(14勝8KO3敗)を経験しているレベコは42戦39勝(19KO)3敗。

Written by ボクシングライター原功

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