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<新 世界のトップ・ボクサー>
五輪金からプロ転向し驚異の20戦全KO勝ち
ヘビー級2団体王者 アンソニー・ジョシュア(イギリス) 2018.02.08

 200ポンド(約90.7キロ)以上、体重上限のないヘビー級はボクシングを象徴するクラスで、遠い昔から「世界ヘビー級チャンピオン=地上最強の男」といわれてきた。いま、その最重量級が大きな注目を集めている。主役はWBAスーパー王座とIBF王座を持つアンソニー・ジョシュア(28=イギリス)と、WBC王座に君臨するデオンテイ・ワイルダー(32=アメリカ)のふたりである。ともに3月に強敵との対戦が決まっているが、それぞれがケガすることなくクリアすれば年内にも統一戦で拳を交える可能性が高まってきているのだ。そんな折り、今回はプロ転向から20戦全KO勝ちを収めているジョシュアを紹介しよう。



ルーツはナイジェリア 18歳でボクシングを始める

 ジョシュアは1989年10月15日、イギリスの首都ロンドン近郊のワトフォードで生まれた。89年秋といえば「鉄人」マイク・タイソン(アメリカ)が世界ヘビー級王座を9度防衛し、向かうところ敵なしの状態だったころだ。ジョシュアのフルネームは「アンソニー・オルワフェミ・オラセニ・ジョシュア」という。両親は西アフリカのナイジェリア出身で、ジョシュア自身も幼少期をナイジェリアで過ごしたと伝えられる。右肩に刻まれたアフリカのタトゥーは自身のルーツを示している。
 少年時代にフットボールに興じていたジョシュアがボクシングに転向したのは18歳のときだった。従兄弟に勧められたのがきっかけだった。当時、100メートルを11秒前後のタイムで走っていただけあり、この格闘競技でも頭角を現すのは早かった。09年あたりからアマチュアの中小の大会で優勝するようになり、10年にはイギリスの国内王者になった。そんな矢先の11年1月、のちの世界王者はスピード違反と違法薬物所持で身柄を拘束されたが、罪を認めたことで実刑は免れた。苦い過去についてジョシュアは「あれが私の転機になった」と振り返っている。その年、欧州選手権8強入りを果たし、世界選手権では準優勝を飾っている。
 22歳で出場したロンドン五輪では苦しい戦いが続いたが、初戦でキューバ人選手に17対16、次戦で08年北京大会銀の中国人選手に15対11、準決勝では11年世界選手権銅のカザフスタン人選手に13対11で競り勝ち、08年北京大会金のイタリア人選手との決勝では18対18のタイスコアながら勝者コールを受けた。最終回に猛然と追い込んだすえの勝利だった。これらを含めたアマチュアの戦績は43戦40勝3敗というみごとなものだが、意外にもKO勝ちは17に留まっている。



9万人の大観衆の前で「クリチコ兄さん」に11回TKO勝ち

 イギリスの大手プロモーション会社マッチルーム・スポーツと契約を交わし、13年10月にプロ転向を果たした。初陣で1回TKO勝ちを収めると、その後もバッタバッタと倒しまくり、世界戦前に連続KO勝ちを15まで伸ばした。しかもアマチュア時代に苦杯を喫したディリアン・ホワイト(イギリス)に7回TKO勝ちを収める(15年12月)までは、14試合すべて3回以内で仕留めるという即決ぶりだった。
 この間、14年晩夏には当時の世界ヘビー級王者、ウラディミール・クリチコ(ウクライナ)のトレーニング・キャンプに参加し、スパーリング・パートナーを務めた。この時点では世界王者との力量差は小さくなかったようだが、クリチコから「潜在的な能力はすごいものがある。学ぶべきことは多いが、いずれ世界王者になるだろう」と高く評価された。以来、ジョシュアは「クリチコ兄さん」と呼んで絶対王者を慕うことになる。そのふたりが2年半後に立場を変えて拳を交えるようになるのだから人生は分からない。
 ジョシュアは15年暮までにWBCインターナショナル王座や英連邦王座、イギリスの国内王座を獲得し、主要4団体すべてで15傑にランクされるまでになった。そして16年4月、無敗のIBF王者、チャールズ・マーティン(アメリカ)を自国に招いて世界挑戦が実現する。ジョシュアは大柄なサウスポーに得意の右ストレートを狙い撃ちし、2度のダウンを奪って2回KO勝ち、デビューから2年半で世界一の称号を手にした。
 圧倒的な強さをみせつけて2度の防衛を重ねたあと17年4月、ジョシュアはクリチコを挑戦者に迎える。ロンドンのウェンブリー・スタジアムに9万人の大観衆が集まる空前のスケールのイベントになったが、その試合のなかで27歳(当時)の王者は戦いながら成長した。5回にダウンを奪ったジョシュアはオーバーペースに陥り、続く6回には困憊しているところに右ストレートを浴びて痛烈なダウンを喫してしまう。万事休すかと思われたが、このピンチを凌ぎながらジョシュアは回復を待ち、終盤に再びペースアップ。
 11回に2度のダウンを奪ったすえ、かつての英雄をストップしてみせた。
 この勝利でWBAスーパー王座を獲得し、評価も高めたジョシュアだが、一方で耐久力に課題があることも広く知られてしまった。しかし、ジョシュア自身は「私がダウンを喫したのは過去に3度だけ。アマチュア時代の欧州選手権準々決勝(ルーマニアのミハイ・ニストルに2度のスタンディング・カウントをとられて3回レフェリー・ストップ負け)と、スパーリングでデビッド・プライス(イギリス)に倒されたもの、そして先のクリチコ戦」と自ら明かしている。大一番でダウンから立ち直って勝利を収めたことが自信になってもいるのだろう。
 続くV4戦では7万8000人の前でカルロス・タカム(カメルーン/フランス)に10回TKO勝ちを収めたジョシュアは、3月31日(日本時間4月1日)、WBO王者のジョセフ・パーカー(ニュージーランド)との3団体統一戦に臨むことが決まっている。タカム戦と同じイギリスのカーディフ、プリンシパリティ・スタジアムが会場だが、今度も8万人近い大観衆が詰めかけることは間違いない。
20戦全KO勝ちのジョシュアに対しパーカーも24戦全勝(18KO)と高いKO率を誇るが、オッズは7対1でジョシュアの圧倒的有利と出ている。
 一方、WBC王者のワイルダーは3月3日(日本時間4日)、30戦28勝(24KO)2無効試合の元WBA暫定王者、サウスポーのルイス・オルティス(38=キューバ)の挑戦を受ける。こちらも油断ならない強敵との対戦だが、39戦全勝(38KO)のダイナミックな強打者、ワイルダーが攻め落としてしまうだろうとみられている。
 その先にあるジョシュア対ワイルダーは現時点では「たら、れば」の仮定のカードだが、オッズは5対2でジョシュア有利という数字が出ている。
 ジョシュア、ワイルダーの主役ふたりを軸にしたヘビー級トップ戦線は今後、どうなるのか。今年は最重量級から目が離せない。

Written by ボクシングライター原功



◆◆◆WOWOW番組情報◆◆◆

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【放送日】2月12日(月・休)よる9:00〜[WOWOWライブ]

WBO世界ミドル級タイトルマッチ
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WBO世界ウェルター級タイトルマッチ
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放送情報はこちら>

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【放送日】3月4日(日)午後0:00〜[WOWOWプライム]※生中継

WBC世界ヘビー級タイトルマッチ
デオンテイ・ワイルダー(アメリカ)/WBC世界ヘビー級チャンピオン
 vs ルイス・オルティス(キューバ)/元WBA暫定世界ヘビー級チャンピオン
放送情報はこちら>





写真:Getty Images

写真:©NAOKI FUKUDA

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