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【独占インタビュー】
WBO世界S・フェザー級タイトルマッチ
ロマチェンコ対リゴンドーを村田諒太が展望 2017.12.15

 王者のワシル・ロマチェンコ(29=ウクライナ)が2階級下のWBA世界S・バンタム級王者、ギジェルモ・リゴンドー(37=キューバ)を迎え撃ったWBO世界S・フェザー級タイトルマッチ。アマチュア時代に五輪連覇を果たしたサウスポーのスーパー・テクニシャン同士の一戦だ。この注目ファイトについて、10月にWBA世界ミドル級王座を獲得した村田諒太(31=帝拳)にみどころを聞いた。観戦する側にまわったときはボクシングマニアでもある村田は「ロマチェンコの判定勝ちと予想するが、番狂わせも…」と展望している。



完全制覇のチャンピオン同士の対決

――ロマチェンコ対リゴンドーはオリンピックで連覇を果たした実績を持つ者同士の試合ですが、4年に一度のオリンピックで2大会続けて金メダルを取ることは難しいですよね。

村田:「僕も金メダル(12年ロンドン・オリンピック)を取ったけれど、僕はその大会のチャンピオンであって、アマチュアのチャンピオンというわけではないと思っています。11年の世界選手権で準優勝しているので、あの当時のアマチュアのミドル級最強のひとりではあったと思いますが、大会によっては負けることもありましたから。でも、このふたりは紛れもないアマチュア・チャンピオンなんです。ただの金メダリストではなく、世界選手権もオリンピックも連覇している完全制覇のチャンピオンです。このふたりはアマチュア史上、最高の選手のトップ5に入るレジェンド。そのふたりが戦うだけでもすごいことです。ましてリゴンドーは2階級飛び越えて試合をするわけですから、とにかく興味深いカードです」

――ロマチェンコのアマチュア戦績は397戦396勝1敗といわれています。

村田:「1敗は07年のシカゴの世界選手権決勝でアルベルト・セリモフ(ロシア)に喫したんですが、この試合、僕は見たんですよ。接戦でしたが、負けたあとロマチェンコが悔しがって『俺が勝ってただろう? おかしいよ』と泣いていました。今回、ロマチェンコは“最強の敵が来た”という気持ちだと思いますよ。ニコラス・ウォータース(ジャマイカ)やジェイソン・ソーサ(アメリカ)らと戦ったときとは違う危機感があると思います」

――対するリゴンドーのアマチュア戦績は475戦463勝12敗。こちらもすごい数字ですね。

村田:「そもそも475回も人と殴り合っていることが驚きです(笑)。このリゴンドーは誰もが敬遠する選手で、アマチュアのなかではレジェンドのなかのレジェンドです。彼と戦ったことのある日本の選手(辻本和正=96年アトランタ、2000年シドニー両五輪出場)から聞いたんですが、『パンチもありスピードもある、技術もある――ないものは何もなかった』と」

――今回はプロのS・フェザー級での試合で、リゴンドーは2階級上げて戦うことになります。

村田:「階級を上げてどれだけのプラスがあるのか、蓋を開けてみないと分かりませんね。タフネスでプラスがあるのか、パンチ力が上乗せされるのか、減量から解放された分、スタミナでプラスがあるのか。もともとリゴンドーの左は切れますからね」

――オッズは9対2でロマチェンコ有利と出ているみたいです。

村田:「妥当なところだと思います。ロマチェンコが頭を振って距離を詰めて、駆け引きでも勝ればロマチェンコが有利。逆に駆け引きでリゴンドーが上を行くようならば番狂わせもありますね。リゴンドーの攻撃力が過小評価されていますが、左が入ればエーッというシーンもあるんじゃないですか」

――ずばり、村田選手の予想は?

村田:「ロマチェンコの判定勝ち。仮にリゴンドーがダウンしたとしても2度、3度と倒れるシーンが思い浮かばないんです。ロマチェンコでもTKOに持ち込むのは難しいと思います。もしもリゴンドーをKOしたらロマチェンコに拍手を送るしかないですね」

――どこに注目して見ればいいでしょうか。

村田:「僕が楽しみにしているのは技術合戦です。どんな駆け引きが行われるのか――でも、これは通の見方になるでしょうか。ともかくアマチュアでもプロでも、誰も戦いたくない相手同士が戦うわけですから、単純にそのふたりが戦ったらどうなるか、そういう試合です」

――最初から目が離せませんね。

村田:「そうです! リゴンドーの左が一瞬で決まるかもしれないし、ロマチェンコの右フックが当たれば(リゴンドーが)倒れるかもしれない。今年はアンソニー・ジョシュア(イギリス)対ウラディミール・クリチコ(ウクライナ)やゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)対カネロ・アルバレス(メキシコ)など、おもしろい試合が多かったけれど、この試合も引けをとらないカードです」

村田諒太がゲスト出演するロマチェンコ対リゴンドーのWBO世界S・フェザー級タイトルマッチは、12/18(月)よる9:00からWOWOWライブで放送する。



※このインタビューは11/28(火)に取材したものです。



◆◆◆WOWOW番組情報◆◆◆

★エキサイトマッチ〜世界プロボクシング
五輪連覇&世界王者同士 世紀の一戦!
12/18(月)よる9:00〜[WOWOWライブ]

WBO世界S・フェザー級タイトルマッチ
ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)/2階級制覇王者
 vs ギジェルモ・リゴンドー(キューバ)/WBA世界S・バンタム級チャンピオン
ゲスト:村田諒太(帝拳)
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