マーシュランド

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でも、湿地帯にハマり込んで… herocomeon ★★★☆☆ 2016/10/13 11:42

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…スペインのアカデミー賞ことゴヤ賞で作品賞や監督賞、脚本賞などの主要部門を含む大量10部門に輝いたミステリーの秀作とあったので、観てみる。　　『フランコ独裁政権の傷痕が残る1980年のスペイン、アンダルシア地方の田舎町。　　首都マドリードから湿地帯が広がるこの町に左遷されてきた若手刑事ペドロは、地元のベテラン刑事フアンとともに2人の少女がレイプされた上、拷問を受けて殺された惨殺事件を担当する。　　捜査の中で、彼らは以前にも同じような事件が起きていたことを知る。　　やがて彼らの前に、町にはびこる貧困や差別、汚職といったさまざまな悪意が立ちはだかり……。』　　冒頭、タイトルの『マーシュランド（湿地帯）』が俯瞰視点で描かれていて美しかったが、実際の『マーシュランド（湿地帯）』はレイプ事件、麻薬密売等の悪事でグチョグチョの泥まみれだった。　　そんな中、若手刑事ペドロと地元のベテラン刑事フアンは地道な捜査を根気よく続けるのだったが、終始不穏な雰囲気が漂い、画面の色調も暗雲垂れ込めた重々しさでなかなか魅せられた。　　で、遂に、黒幕らしきハットを被ったコロンの香りを漂わせる権力者の存在に至るのだったが、結局、このコロンの男は一体なんだったの？という湿地帯にハマり込んで抜け出せないモヤモヤ感を味わい、また、フアンはかつて拷問のエキスパートだったなんていう暗喩的な事実も知らされる。　　で、ラストは、ペドロとフアンが真犯人？に狙撃されそうになるのだったが、油断した真犯人？をフアンがナイフで執拗に滅多刺しにして幕を閉じるのだった。　　で、真の黒幕の実態は明かされないが……フアンが拷問のエキスパートであること……また、滅多刺しは口封じのため？なんてことも思わせる、なかなか見応えのある作品だった。　　でも、湿地帯にハマり込んでなかなか抜け出せないモヤモヤ感をも味わう作品でもあった。

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重厚なスペインミステリーロンチャン ★★★★☆ 2016/10/1 10:52

「スペインのアカデミー賞であるゴヤ賞で作品賞や監督賞、脚本賞など大量10部門に輝いた」というだけあって、浮ついたところの無いジックリとした展開に引き付けられた。フランコ独裁政権の傷痕という時代も反映させているので見応えがあった。何があったかは語られないが都会から左遷されて来たという若手刑事と、ファシズム政権時代の虐殺の闇を背負っている地元のベテラン刑事のコンビも冴えていた。そして結末は、巨悪は……余韻を残して。

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