映画
市川崑版も衝撃的ではありましたが、本作もまた違った衝撃を受けました。 市川版と違いカラー作品なので、空の青さ、ジャングルの美しい緑、瑞々しい色彩で映し出される楽園のような場所で流される・・・血の赤さ。 美しい楽園の中での繰り広げられる地獄絵図、その対比に圧倒されました。 悲惨な状況下での人間の行動は恐ろしい・・・しかし、追い詰められた人間の生存本能は善悪でなんか判断できない極地にあるのだなと、今更ながら思い知らされたし、見ていて打ちのめされた。 運良く生還できても、心の傷は癒える事はないエピローグも見ていて心が痛む・・・・ 終始重苦しい展開、加え、夜戦のシーンではヘビーな人体破壊描写もあります。中々厳しい映画ですが、多くの人に見てもらいたい作品です。 今の時代にこれだけ力のこもった映画に出会えることは、大変良い事だと思います。
…あらすじはWOWOWの解説の次のとおりと書いても、この地獄絵図の有様は何も伝えられないが、取り敢えずは書いておこう。 『第2次世界大戦末期のフィリピン・レイテ島。 日本軍の敗色が濃厚となる中、田村一等兵(塚本晋也)は結核を患い、上官から野戦病院行きを命じられる。 しかし、負傷兵だらけで食料も不足する中、彼は手持ちの食料を巻き上げられて早々に野戦病院から追い出され、元の所属部隊からも復帰を拒否されてしまう。 かくして孤独と空腹を抱えながら、ひとりやむなくフィリピンの原野をさまようこととなった田村一等兵は、そこで地獄を目の当たりにする。』 一つ目の地獄は、匍匐前進している日本兵へ向けての機銃掃射だ。 相手の姿こそみえないが、正しく一斉掃射だ! 腕がもぎとられ、脚が引き千切られ、顔面が吹っ飛び、腹を撃たれて内臓が溢れ出し、頭が射抜かれて脳漿が飛び散り……どんな言葉も無力なほどの地獄絵図に呆けたようになってしまう。 二つ目の地獄は、カニバリズムだ。 サルの肉だと偽られて……でも、違うことに気付いて……でも、サルの肉だと自分に言い聞かせて……味方同士の餓鬼と鬼畜が喰らいあい……で、田村一等兵は肩に被弾して肉を抉られたが、その肉をホイと自分の口の中に放り込むのだった……。 もう、これ以上書くのは辛くなってきた。 天国も地獄も信じない自分だが、戦争の中にこそ地獄はあると確信させる衝撃作品だった。
肺炎にになって見放され治療も受けられない状態で食料を求め生き続けようとする兵士。まさに極限状態。戦地生々しいシーンと最新の編集技術が見事にシンクロした完成度の高い作品でした。
オススメ気分を選択できませんでした. 必ずしも良い映画とは思いませんが,戦後世代は観るべきかなと思います. https://www.suzune.homedns.org/wordpress/20160725-movie
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2016.4.27 改定