映画

カミーユ・クローデル ある天才彫刻家の悲劇

１９１５年、南仏の精神科病院で孤独な日常生活を送る女性彫刻家Ｃ・クローデルの痛ましい姿を、Ｊ・ビノシュの主演で哀切に描いた、本邦劇場未公開の注目の秀作ドラマ。

クローデルといえば、「考える人」で知られる先輩彫刻家オーギュスト・ロダンとの間の情熱的な恋愛劇でも有名。それを物語の軸にしたイザベル・アジャーニ主演の映画も作られたが、本作が焦点を当てるのは、彼女の知られざる後半生。ロダンとの関係が破綻した後、精神のバランスを崩し、南仏の精神科病院でひとり心を固く閉ざしつつ、じっと孤独に耐え続けるクローデル。その痛ましい姿を、ビノシュがすっぴんをさらしながらリアルに体現。全編、禁欲的な演出を披露するのは、「ジーザスの日々」のB・デュモン監督。