南米ボリビアのアマゾンで暮らすウルビチャ村から総勢100人の少年少女によるオーケストラを紹介する。村の厳しい現状や子供たちの夢から、音楽のある暮らしを描く。
ボリビア第2の都市・サンタクルスから、クルマでおよそ6時間。広大なアマゾンのジャングルの中にある小さな村・ウルビチャ村。村に一歩足を踏み入れると、たおやかな音楽が旅人を包む。村民の多くは、特産品のハンモックなどの民芸品を売って得るわずかなお金の他に現金収入は殆どない。多くは農業・狩り・釣りなどを行って、自給自足の生活をおくる。この村には、フランシスコ会の宣教師がおよそ200年前、布教のために伝えたクラシック音楽が、今も脈々と受け継がれ、息づいている。音楽の村・ウルビチャの中核を成すのが、総勢400名を誇るオーケストラ・シンフォニカ。2010年2月半ばに開かれるカーニバルで、オーケストラ・シンフォニカは、その幕開けを飾る演奏会を開こうとしている。
物語の主人公となるのは、オーケストラのバイオリニスト、メルフィ・カロリナ・ウラレピア、13歳。9歳からバイオリンを学び始め、最近ようやくオーケストラ・シンフォニカに加わるようになった彼女にとって、今年の演奏会はこれまでで最も大きい晴れの舞台だ。彼女はこの舞台で、オーケストラでの演奏に加え、人生初めてのソロ演奏も披露しようとしている。番組では、少女メルフィの演奏会に向けての奮闘ぶりを縦糸に、村に脈々と伝わる音楽と、それを巡る人間模様を横糸に、音楽と共に生きることの喜びを高らかに謳い上げる。