映画

喜びも悲しみも幾歳月

名匠・木下惠介監督が、ある灯台守とその妻が２５年もの長き年月にわたって織り成す、人生の哀歓に満ちた物語を綴った、日本映画史にさんぜんと輝く夫婦ドラマの名作。

公開された昭和32年、日本映画として年間第2位となる大ヒットを記録。良妻の見本というべき役を好演した主演女優、高峰秀子の美しさ、今も懐メロとして親しまれている主題歌など、いつまでも忘れられない名作だ。監督・原作・脚本は「二十四の瞳」の名匠・木下監督。北は納沙布岬（北海道）から南は女島（長崎県・五島列島）まで、全国16カ所の灯台でロケ撮影を敢行。すばらしい風景の数々に、上海事変から太平洋戦争へと続く激動の歴史をダブらせて描いたのも秀逸だ。共演は「君の名は」の人気男優、佐田啓二。