アカデミー賞の歴史/History of the Academy Awards

たくさんの人々がワクワクと待ち構え世界中にテレビ放映される今日のイベントとはかけ離れて、第1回アカデミー賞授賞式は一般の人々に見られることもなくハリウッド・ルーズベルトホテルでのアカデミーの晩餐会で行われました。1929年5月16日にこのホテルのブロッサム・ルームという部屋で催されたディナーには270人が出席、チケットは5ドルでした。ディナー自体はたくさんのスピーチがあって長いものでしたが、オスカー授与はアカデミー会長ダグラス・フェアバンクスによって手早く行われました。
驚きのなかった第1回アカデミー賞
第1回のアカデミー賞の授賞式では、賞が与えられるとき、驚きはほとんどありませんでした。受賞者は3カ月前にすでに発表されていたからです。その方法は翌年には変わり、アカデミーは授賞式まで結果を秘密にしておくことにしましたが、新聞社にはその日の夜11時の版に間に合うようにあらかじめリストが渡されました。その後ずっとそのやり方が続けられましたが、1940年にロサンジェルス・タイムズ紙が協約を破り、夕方の版に受賞者の名前を載せてしまったのです。多くのゲストたちは式の前に受賞者を知ってしまい、アカデミー側を困惑させました。それで1941年からは、現在のように封印された封筒を使うようになったのです。
第1回授賞式では1927年と1928年の映画業績に対して15の像が授与されました。第1回の主演男優賞受賞者はドイツの有名な悲劇役者エミール・ヤニングスでしたが、彼は授賞式の前にヨーロッパに帰らなければなりませんでした。アカデミーは彼の要望に応えて先にトロフィーを渡したので、彼はアカデミー受賞者第1号となったのでした。
一般の人々の関心が高まるにつれ
メディアの入らない授賞式はこの第1回限りでした。2年目には人々の関心が膨れ上がっていたので、ロサンジェルスのラジオ局が1時間の生放送を行い、それからずっと、アカデミー賞の授賞式は放送され続けています。
授賞式は1942年までずっとアンバサダーとビルトモア・ホテルでの晩餐会で行われていましたが、出席者が増え続けたのでそれは困難になってしまいました。それで第16回オスカー授賞式がグローマンズ・チャイニーズシアターで行われた以後はずっと授賞式はシアターで行われています。
1953年、初めてオスカー授賞式がテレビ放映され、アメリカとカナダの何百万人もの人々が授賞式を見ることが可能になりました。1966年にはカラー放送が始まり、家庭の視聴者もこのイベントの目の眩むような魅惑を経験できるようになったのです。1969年からは海外での放送も始まり、現在では200カ国以上で放映されています。
アカデミー賞の軌跡
- 第1回授賞式 – 部門に分けるのが難しい業績を讃えるために、1929年の第1回授賞式でアカデミーは2つの特別賞を授与しました。1つはワーナー・ブラザーズがトーキー映画の草分けとなった映画『ジャズ・シンガー(The Jazz Singer)』(1927年)を製作したことに対して。もう1つは映画『サーカス(The Circus)』(1928年)の製作、監督、脚本、主演を務めたチャールズ・チャップリンに贈られました。
- 第2回授賞式 – 部門の数は12から7に減らされました。俳優賞が2つ、作品賞、監督賞、脚本賞、撮影賞、美術賞が各1つ。その後賞の数は少しずつ増えていきました。
- 第7回授賞式 – 1934年公開の映画を対象として、編集賞、音楽賞、主題歌賞の部門が新たに加えられました。この年初めて映画『痴人の愛(Of Human Bondage)』でのベティ・デイビスの演技を候補に加えるように書き込むキャンペーンが行われました(現在のアカデミーの規則では最終投票への書き込みは禁止されています)。この年からアカデミーは監査会社プライスウォーターハウスに投票の集計を依頼、結果が絶対に秘密に保たれるようにしました。社名はプライスウォーターハウス・クーパーズと変わりましたが、この同じ会社が今日も投票の集計を続けています。
- 第9回授賞式 – 1936年公開の映画に対し、初めて助演男優賞、助演女優賞が授与されました。受賞者は『大自然の凱歌(Come and Get It)』のウォルター・ブレナンと『風雲児アドヴァース(Anthony Adverse)』のゲイル・ソンダーガード。
- 第10回授賞式 – 1938年に行われた授賞式で、アービング・G.・サルバーグ記念賞が授与されました。受賞者はダリル・F.・ザナック。
- 第12回授賞式 – 20世紀フォックス社のフレッド・サーセンとE.・H.・ハンセンが初めての特殊効果賞を受賞。対象になった映画は1939年の『雨ぞ降る(The Rains Came)』でした。
- 第14回授賞式 – 1941年にドキュメンタリー部門が初めて投票対象となりました。
- 第20回授賞式 – 1947年、イタリア映画『靴みがき(Sciuscia)』(1946年)に、外国語映画では初めて特別賞が与えられました。1956年に外国語映画賞が毎年選出される賞になるまでに外国語映画に特別賞が授与されたのは7回。
- 第21回授賞式 – 1948年、衣装デザイン賞が投票対象となりました。
- 第25回授賞式 – 初めてのオスカー授賞式テレビ放映。NBCテレビ・ラジオ局が1952年の映画を対象とする授賞式を放送しました。ハリウッドから生放送の進行役をボブ・ホープが担当、ニューヨークのNBCインターナショナル・シアターではコンラッド・ネイジェルがホストを務めました。
- 第29回授賞式 – ジーン・ハーショルト友愛賞が設立され、Y.フランク・フリーマンが最初の受賞者となりました。
- 第36回授賞式 – 1963年公開の映画から、特殊効果賞が音響効果賞と視覚効果賞に分けられました。
- 第38回授賞式 – 1966年のオスカー授賞式は、初めてカラー放映されました。
- 第41回授賞式 – 1969年4月14日に催されたオスカー授賞式は、ロサンジェルス郡音楽センター内の新しいドロシー・チャンドラー・パビリオンでの初めての大きなイベントでした。
- 第54回授賞式 – メークアップが毎年の部門となり、リック・ベーカーが1981年の『狼男アメリカン(An American Werewolf in London)』で受賞。また、映画業界に対する技術的な貢献を讃えるためのゴードン・E.・ソーヤー賞が設立されました。
- 第74回授賞式 – 長編アニメーション部門が加えられ、2001年の『シュレック(Shrek)』が受賞しました。


