

いつまでも色あせぬEver Greenなナンバーをテーマにしたオムニバスライブ。
ステージ上のモニターに、テーマをイメージした新緑の木々が映るさわやかな映像とともにナレーションを務めた女優・りょうの瑞々しい声が響き渡ると、熊木杏里と塩谷哲、STARDUST REVUEの根本要が登場。1曲目から塩谷のピアノに合わせ、オフコースの「君住む街へ」を、熊木が柔らかな歌声、根本がソウルフルなボーカルで披露した。根本がステージから退くと、熊木は新曲「春隣」を繊細なピアノサウンドに乗せてしっとりと歌い上げた。続いて登場したのは中孝介。ステージに上がるなり、代表曲「花」を、言葉を一語一語噛み締めるようにゆっくりと情感を込めて熱唱すると、さらにイルカの「なごり雪」や4月9日にリリースされたばかりの新曲「春」を聴かせて観客を魅了した。熊木と中、これからを担う若手2人のステージが終わると、活動35周年を迎えたベテラン、大貫妙子が舞台に。
淡いピンクの照明に照らされる中で「都会」を大人の雰囲気を漂わせながらムーディーに歌い、温かみあふれるラブバラード「あなたを思うと」なども披露。さらに、佐藤竹善が登場して大貫との共演へ。竹善の「大貫さんのような小さくて変わってる人好きなんですよ」というカミングアウトに笑いが起こり、場が和むと、その中でキャロル・キングの往年の名曲「YOU'VE GOT A FRIEND」を熱唱。大貫の変わらないボイスと、竹善の伸びやかなボーカルがマッチした円熟味を感じさせる大人のバラードソングで、前半のラストを飾った。
後半に入る前には、塩谷哲がラテンチックなナンバー「あこがれのリオデジャネイロ」で躍動感の中に、時折、憂いも感じさせる流麗なピアノ演奏を聴かせると、観客も静かに美しい音色に聴き入る。そして、後半のトップはこの塩谷哲と佐藤竹善によるコラボユニット、SALT&SUGARが出演。ジェイムス・モリソンの「Wonderful World」などのカバーを、ピアノとボーカルのみというシンプルなスタイルで披露し終えると、彼らは「数少ないオリジナル曲です」と言い、さらに「この季節にピッタリのクリスマスソングを」とジョークを飛ばしてから、「もみの木」を演奏。キラキラしたピアノのメロディーに竹善の繊細な歌声が絡むロマンチックなナンバーが会場中に響きわたり、観客はその音色にうっとりとしていた。
そして、竹善と入れ替わりに、根本要が再登場すると、ザ・ビートルズの「Oh!Darling」を、塩谷が弾くアグレッシブなピアノサウンドに合わせてしゃがれた声でファンキーに熱唱! 彼が歌い終えると、客席から、それまでより、ひと際大きい歓声と拍手が沸き起こった。
次に出演したのは土岐麻子。持ち前のほんわかとしたウィスパーボイスで、大貫妙子と「いつも通り」、佐藤竹善と「ファンタジア」、根本要と「夢で逢えたら」を歌い上げた。そして、根本要がみたび登場すると中孝介と初共演を果たし、STARDUST REVUEの「木蘭の涙」をオリジナルとは異なるピアノにツインボーカルという今回限りのアプローチで臨み、哀愁深い歌声を響かせた。
根本と中の共演が終わり、トリを務める根本がSTARDUST REVUEの往年のナンバー「夢伝説」を感情をストレートに出したシャウトで絶唱し終えると、いよいよクライマックスに。最後は出演者が全員登場し、塩谷哲のピアノに導かれてディオンヌ・ワーウィックのヒット曲「That's what friends are for」を合唱する感動的なシーンとなり、オーディエンスは盛大な拍手を送り続けていた。
個々のオリジナルと、カバーソングを織り交ぜてたっぷりと披露した本イベント。Ever Greenのテーマのもとに集った、新旧実力派シンガーたちにより、いくつものコラボレーションが生まれ、いつまでも色あせない名曲を歌い上げたステージの模様を、ぜひご覧になって頂きたい。
取材・文/翔ブラザース