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「東京島」木村多江&窪塚洋介インタビュー

役柄とはうって変わって穏やかな表情のお2人
エレガントでありつつとってもキュートな多江さん
窪塚さんはスタッフにもとってもフレンドリー!

40日以上の島でのオールロケでは、自然も出演者になっていた!?

Q. 無人島では敵対関係の清子とワタナベですが、演じてみていかがでしたか?
 
木村:わたしは清子とは違うところがあるので、彼女ほど簡単に自分の人生を選択出来ないと思いました。でも無人島ではサバイバル能力が高くて、本能的じゃないと生き残れないので、彼女の行動は理解出来ますね。わたしの場合は、理性を捨てるまでに時間がかかりそうですね。
 
窪塚:僕もワタナベみたいな動きはしないと思います(笑)。あんな感じだったら、この仕事は出来なくなっているでしょうし、亀の甲羅を背負い出したらヤバイと思いますね。
 
木村:みんな、引くよね〜(笑)。
 
窪塚:僕の場合は、皆と協力してどうにかすると思いますね。一人でどうのこうのというよりは、皆で力を合わせて、と言うときれいに聞こえるかもしれないけれど……。寂しいし、力を合わせると思います。映画で言ったらワタナベよりもGM(福士誠治)の方に近いような気がしますね。
 
Q. 40日間に及ぶ島でのオールロケを通して、自然のパワーに後押しされたと感じることはありましたか?
 
窪塚:それはありましたね。僕自身ロケが大好きですし、自然はセットで作っているものじゃなくて、元々そこにあるものじゃないですか。そこにまとっている空気感みたいなものが力になって、いい感じでパワーが出ていましたね。セットとは違うテンションになりますしね。
 
木村:大自然の中に長くいると、気持ちが強くなるような気がしますね。
 
窪塚:太陽の光を浴びるので、ソーラー・エネルギーはあったかもしれないですね(笑)。
 
木村:自然も出演者なんです(笑)。
 
窪塚:でも本当に「自然待ち」みたいなことは多かったですね。だんだん、明日は雨だなってことが前日の夜にはわかるぐらい自然との距離が縮まっていって、潮が高くなっているな、雨雲が近くに来ているな、つばめが低く飛んでいるからとか、そういうことにも気付くようになりましたね。
思わずウットリの横顔ショット!
茶目っ気たっぷりな表情を見せてくれたかと思えば……
もちろんキメる時はキメてくれます!

太陽や風、自然を取り入れていけば、よりいいものをクリエイト出来る

Q. サバイバル映画の撮影なので、木村さんは女性ならではのご苦労も多かったとは思いますが。
 
木村:現場までロープで下りて、100段近い階段を下りて、そこから砂浜を歩いて現場まで行って、でもトイレは上、みたいな(笑)。何回も行ったり来たりして、毎晩足がつっていました(笑)。初日から自然の洗礼を受けて2日間いきなり撮影が出来なかったり……。でも自然に対して畏(い)敬の念を払うようになってくると、今度はスコールが欲しいシーンを撮影していると降り出してくれたり、開いている穴に満月が重ねればいいなあと思っていたら、ちょうど満月が出てくれたり。
 
窪塚:かなり神懸かっていますよね(笑)。普段、「楽しい現場がいい現場」みたいな感じってあるんですよ。でもそうじゃなくて、「何暗い顔して!」って言われても、「いや、今気持ち作っているから」っていうことはもっとあっていいと思うんです。今回、そんなことすら考えなくていい現場というのをこの「東京島」で体験出来たし、多江さんみたいな女優さんと巡り合って、同じ時間を過ごせたということは、同じ俳優としてすごく幸せなことだと思うし、本当にうれしかったですよね。
 
Q. これだけ異質なシチューエーション下の撮影では、俳優としての収穫も多そうな気がしますね。
 
木村:いつもは脚本を読めば、立体化して考えることが出来るんです。でも今回はまったく立体化出来なくて、行ってみないとわからない……。体感して撮影していった感じだったんですね。どのシーンも一度は頭の中で考えたりしましたが、そういうことは全く関係なくて、人格がバラバラに見えてもいいと思いました。実は人間ってバラバラなもので、トータルで記憶になるものですよね。意外にあまり考えず、その場でリアリティーを感じて吐き出せばいいのかなあと。
 
窪塚:僕はもうちょっと自然に近いところにいたいなと思いましたね。自分の中に太陽や風を入れていった方が、調子が良さそうだなと思いました。普通に暮らしていて「東京島」のような究極の選択を迫られる状況になることはまずないけれど、これから先に役立てることがあるとすれば、(自分の中に)自然のエッセンスを入れていくバランスが大事なんじゃないかなと。2か月間島にいて一度東京に戻った時に、島に戻りたくなったんですよ。島での撮影、環境がそうさせたんだと感じましたね。自分がいい状態でクリエイトしていけば、よりいいものが出来ると思いましたしね。
天を仰ぐ姿も雰囲気があってカッコイイ!!
「東京島」での2人の関係性はこんな感じ!?
この美しさとのギャップを映画でお楽しみあれ!

固定観念や秩序を一度外せば、本来の自由な自分を見つけられるはず!

Q. 撮影を振り返ってみて、映画版「東京島」は、どういうことを言いたい映画だと思いますか?
 
木村:現代の社会では秩序がすごく作られていて、固定観念や秩序を外すことが悪いことだと考えられているところがあると思うんですが、「東京島」の男たちは無秩序を知っていてその中にいるのに、秩序を作ろうとしている矛盾があるんです。でも一度、固定観念や秩序を外してみると、自由になれるんだなって。自分の中の自由を見つけられる映画なんじゃないかと思いましたね。
 
窪塚:自分の歩幅を見つけられる映画なんじゃないかと思いますね。自分の中の幸せの基準であったり、もしそういうものがあれば、すごく大きな価値が生まれてくると思います。結局、ワタナベ自体はブレないで最後まで行ったわけだけど、ブレようが何をしようが、自分の中に基準を持っていることがすごく大事なことなんですよね。自分の歩幅で歩いていければ、これほど幸せなことはないですね。
 
木村:「東京島」の男たちは固定観念や秩序が外れる状況にいたのに、そうじゃないふりをしていたんです。男性、女性にかかわらず、現代的な閉塞感を感じている人は、そういうものを一度外してみることで清子を体感してもらえると、自分の中の自由を見つけられるような気がしますね。
 
Q. 最後に、お二人から映画を待っているファンへメッセージをお願いします。
 
木村:原作とはまた違うユーモアやポップさがあって、無国籍で不思議な楽しい映画になっていると思います。ぜひ、この夏、この映画と共にサバイバルしてください。
 
窪塚:……っさい、以上(笑)。完ぺきなんですよ、コメント。四の五の言わない方がいいかなと(笑)。
 
 
 
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無人島を舞台にした異質なシチュエーションの物語ながら、そこに流れるリアリズムに感動したと強調する木村と窪塚。確かに彼らのサバイバル劇を通じて浮き彫りになるのは、人間として生きる上での本能であって、決して特別なテーマではない。常識という価値観が妥当とされる閉塞的な現代社会において、窪塚の言う「自分の歩幅」で歩いている人は、果たしてどのくらいいるのだろうか。固定観念や秩序を一度とっ払い、生きるとはどういうことなのか? どういう意味を持つのか? そんなことを改めて考えてみる機会にしてみてほしい。
 
 
映画「東京島」は8月28日よりシネスイッチ銀座ほか全国公開
文:鴇田崇 / 写真:尾藤能暢 / 木村多江ワンピース:ESCADA / 編集:シネマトゥデイ
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